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最優秀GKカシージャス歓喜の涙…生放送キスも

[ 2010年7月13日 06:00 ]

<オランダ・スペイン>インタビュー中、恋人でリポーターサラ・カルボネーロさんと抱き合うカシージャス

 【W杯決勝・スペイン1-0オランダ】イニエスタのゴールを見届けると、さまざまな感情とともに涙がこみ上げてきた。試合中にもかかわらず、反対側のゴールに立っていた守護神カシージャスはGKグローブで顔を覆って嗚咽(おえつ)を漏らした。

 「欧州選手権の優勝は人生で最も重要な瞬間だったが、きょうはこれ以上にないほどうれしい」。主将を務めたGKのW杯制覇はイタリア代表のコンビ(34年)、ゾフ(82年)に続いて3人目。「聖イケル」とあがめられる29歳は最優秀GKのタイトルも獲得し、名実ともに世界No・1GKとなった。
 全7試合フル出場で、決勝トーナメントは4試合連続完封。優勝チームでは歴代最少タイの2失点に抑えた。後半17分には抜け出してきたロッベンに逆を突かれながら右足のつま先でシュートを防ぎ、38分には果敢な飛び出しで再びロッベンの突破を阻止。「オランダは戦争のように向かってきたが、最終的にはスペインの才能の方が輝いた」と振り返った。
 優勝トロフィーにキスをしたカシージャスは表彰式後、スペインのテレビ局テレシンコのリポーターを務める恋人のサラ・カルボネーロさん(25)と対面。生放送のインタビューで「子供のころに夢見たW杯優勝を果たせて満足。いつも応援してくれる僕の両親、兄弟…」と言って言葉を詰まらせると、“世界で最もセクシーなリポーター”に選ばれたことのある恋人を抱き寄せ、熱いキスを交わした。黒星発進となったスイス戦で「ピッチ脇の恋人に見とれて失点した」と批判されたが、今回は誰も文句をつけようがなかった。
 99年世界ユース選手権(現U―20W杯)で優勝し、19歳の00年に代表デビューを果たした。Rマドリードと代表で先輩のDFイエロ、FWラウルからはサッカー選手に必要なあらゆるものを吸収してきただけに「今は学んだことを語り継ぐようにしている」と話す。4年後もまだ33歳。人望の厚い主将の挑戦はまだまだ終わらない。

 ◆イケル・カシージャス 1981年5月20日、スペイン・マドリード州モストレス生まれの29歳。Rマドリードの下部組織出身で、高校在学中にトップチームに昇格。00年に19歳で代表デビュー。優勝した08年欧州選手権でも主将を務めた。代表通算111試合は歴代2位の出場記録。カルボネーラさんとは09年夏から交際。1メートル84、79キロ。

 ≪カシージャスのW杯成績≫出場15試合で11勝2分け2敗。02年は決勝T1回戦でアイルランドにPK勝ちも、準々決勝で韓国にPK負け。06年大会は決勝T1回戦でフランスに1―3で敗れた。

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2010年7月13日のニュース