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【2000年1月】本能/椎名林檎 ガラス割りで“歌舞伎町の女王”広く浸透

[ 2012年1月30日 06:00 ]

 ★00年1月ランキング★
1 口笛/Mr.Children
2 HAPPINESS/GLAY
3 Pray/Every Little Thing
4 ちょこっとLOVE/プッチモニ
5 LOVEマシーン/モーニング娘。
6 孫/大泉逸郎
7 本能/椎名林檎
8 Next 100 Years/J―FRIENDS
9 HEVEN/福山雅治
10 SNOW DANCE/DREAMS COME TRUE
注目Love,Day After Tomorrow/倉木麻衣

※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【本能/椎名林檎】

 看護師姿の女性が右ストレートでガラスを粉々に割った――。衝撃的なプロモーションビデオ(PV)の冒頭シーン。マスコミから“歌舞伎町の女王”と呼ばれ、若者に絶大な支持を集めていた椎名林檎の4枚目のシングル「本能」は、99年10月27日にリリース。年明け後もベストテン内にとどまり、初のミリオンヒットとなり、この1枚、いやこのインパクトの強いPV1本でそれまで椎名を知らなかった層にも、名実ともに浸透することになった。

 当時のインタビューなどで椎名は「言葉は頼りない」と語っている。実際、「本能」の歌詞の中には、約束は果たされないから嫌い、どうして言葉が生まれたのか、などと訴えている。

 ただ、音楽に乗った言葉は違う、だからからこそ椎名は歌うのだった。音が介することによって言葉が力を持つことを椎名は「その瞬間瞬間かなり言葉が補われているから成立していると思うし、いくらあたしが文章を書いても全然伝わらないだろうなあって思っている」(ロッキング・オン・ジャパン99年11月号)と語った。

 父親の職業の関係で全国各地に移り住んだ。中3の頃からバンド活動を始め、18歳で上京。バイト先の上野のレコード店へ向かう途中で、SMクラブの店員に「君は女王様になる素質がある」とスカウトされたこともあったという。もちろん断ったが、当時を振り返り、「生きることこと自体がむなしい中で、自分は一体どんな花を咲かせられるかが大切なんじゃないかと考えるようになった」と音楽に全身全霊ぶつかっていく覚悟が決まったのもこのころだった。

 握り拳で割ったガラスで手はもちろん、足まで負傷した椎名。レコーディングの時からこのガラス割りは決まっていたとか。白衣、医者、看護師というものに「スパイシー」で「宇宙っぽい」というイメージを持っていた椎名はかなりノリノリでこのシーンを撮影したという。

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