365日 あの頃ヒット曲ランキング 1月

【1978年1月】冬が来る前に/紙ふうせん ストーブを掃除していたらできたヒット曲

[ 2012年1月19日 06:00 ]

★78年1月ランキング★
1 UFO/ピンク・レディー
2 わな/キャンディーズ
3 赤い絆/山口百恵
4 わかれうた/中島みゆき
5 ブーツをぬいで朝食を/西城秀樹
6 冬の稲妻/アリス
7 冬が来る前に/紙ふうせん
8 演歌チャンチャカチャン/平野雅昭
9 てぃーんずぶるーす/原田真二
10 ウォンテッド/ピンク・レディー
注目あんたのバラード/世良公則&ツイスト
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【冬が来る前に/紙ふうせん】

 冬支度のためにストーブを掃除している時に浮かんだ曲だった。「76年の11月半ば。暖冬だった年でね」とは作詞の後藤悦二郎。コンサートでは歌っていたが、シングル盤としてリリースしたのは、翌77年11月。まさに冬が来る前の発売だった。

 「竹田の子守唄」や「翼をください」を歌ったフォークグループ「赤い鳥」のメンバーだった、後藤と妻の平山泰代がグループ解散後、紙ふうせんを結成してから3年。土着的なフォークソングで地元関西での人気はあったが、全国的にはまだ浸透していなかった。

同じく赤い鳥のメンバーだった3人が、「ハイ・ファイ・セット」として都会的センスを前面に押し出してヒット曲を飛ばしていたのとは対照的だった。夫婦でのマイペースの活動も悪くはなかったが、やはり広く知られる代表曲が欲しかった。折りしも長男が誕生し、一念発起する環境でもあった。その意味では“狙った”一曲だった。

 作曲はバックバンドでベースを担当していた浦野直。南米の民族音楽、フォルクローレの雰囲気に、夏の思い出を抱いたまま秋に別れた男女をあきらめきれない女性の気持ちを描いた歌詞が乗った。サビの部分でタイトルの「冬が 来る前に」を強めに歌うなど、インパクトのある曲は、紙ふうせんのそれまでの作品と違うもので、コンサートでの反響も良かったことで、満を持してのレコード発売だった。

 関西から関東へ、冬が来た頃にはラジオから火が付き、ヒットチャートを上昇。各ランキングにもベストテンに顔を出し、レコード売り上げは計45万枚を記録。TBS「ザ・ベストテン」にもランクイン。関西からの中継だったが、全国放送の電波に乗って元赤い鳥のメンバーの健在ぶりが広まった。

 その後も活動拠点は2人が高校、大学と青春時代を過ごした関西。根強い人気に支えられてきたが、紙ふうせんが再度クローズアップされたのが、「冬が…」のヒットから20年後の98年。日本がサッカー・ワールドカップフランス大会に初出場した際に、「翼をください」が日本サッカー協会のオフィシャル応援歌になった。

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