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【1982年1月】セーラー服と機関銃/薬師丸ひろ子 映画大人気 デビュー曲大ヒット!

[ 2012年1月2日 06:00 ]

★82年1月ランキング★
1 セーラー服と機関銃/薬師丸ひろ子
2 情熱・熱風・せれなーで/近藤真彦
3 ジェームス・ディーンのように/Johnny
4 悪女/中島みゆき
5 完全無欠のロックンローラー/アラジン
6 ハロー・グッバイ/柏原よしえ
7 みちのくひとり旅/山本譲二
8 ギンギラギンにさりげなく/近藤真彦
9 デザイアー/もんた&ブラザーズ
10 ラブレター/河合奈保子
注目夢の途中/来生たかお
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【セーラー服と機関銃/薬師丸ひろ子】
 81年の暮れから82年の正月、中高生の冬休み期間中、映画館は男の子たちが大挙して押し寄せ、座席が次々と埋まっていった。

 17歳の女優、薬師丸ひろ子主演の「セーラー服と機関銃」は連日満員御礼。現在のような完全入れ替え制ではなかった映画館は、1回観終わっても次の回もそのまた次の回も鑑賞する客が続出。席が空かずに立ち見客があふれ、スクリーン目の前に体育座りをして見ている人までいる始末だった。

 人気作家の赤川次郎原作というのもあったが、それだけ客が集まったのも、薬師丸が機関銃をぶっ放し、スローモーションで「カイ・カン」(快感)と口走るシーンを見たいがため。配収23億円を記録し、82年の邦画部門で1位、洋画を入れても「E・T」「ブッシュマン」に次いで3位と大ヒット作となった。

 その映画タイトルと同じ主題歌は薬師丸にとってデビュー曲。11月21日に発売されるすぐにヒットチャートを上昇。オリコンランキングでは81年12月21日付から年をまたいで5週連続1位に。82年度の年間2位となり、83万枚のシングルをセールスした。

 映画を製作した角川春樹事務所の力の入れようもものすごかった。テレビやラジオのスポットCM、キャンペーン費用に、普通の新曲にかける額の10倍以上の3億円を投入。中学時代に合唱部に在籍していた薬師丸の透明感のある声と当時新進の作曲家だった来生たかお、その姉の来生えつこ作詞の作品の組み合わせも好評で、作詞家の阿久悠が角川春樹社長に「70万枚はいける」と太鼓判を押したことで、惜しみなく宣伝費を投入したともいわれている。

 予約だけで20万枚あったという「セーラー服…」だが、TBS「ザ・ベストテン」に出演してを歌ったのは1回だけ。その時の表情は緊張というより、どこか気乗りせずに歌っている雰囲気が漂っていた。「アイドル扱いされるのが嫌だった。私は女優で歌手じゃない」という気持ちが強かった。その後「探偵物語」など、映画に出演するたびに主題歌を歌ったが、どうも歌の時は表情が沈みがちだった。

 そんな薬師丸も昨年は20年ぶりにライブを行った。「10代のころは与えられたものをこなすだけで精いっぱいだった。今でも私の出た映画や歌った歌を聴いて喜んでくれる方々がいる。この年になってようやく歌うこともいいかなと思えるようになった」。肩の力が抜けた薬師丸が今とてもまぶしく見える。

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