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【1998年1月】夜空ノムコウ/SMAP 20分で書き上げた歌詞 青春が終わった曲

[ 2012年1月31日 06:00 ]

 ★98年1月ランキング★
1 夜空ノムコウ/SMAP
2 Face the change/Every Little Thing
3 SWEET HEART MEMORY/SHAZNA
4 CAN YOU CELEBRATE?/安室奈美恵
5 promise/広瀬香美
6 スタミナ/BLACK BISCUITS
7 幸せな結末/大滝詠一
8 愛されるより 愛したい/KinKi Kids
9 WHITE LOVE/SPEED
10 1/3の純情な感情/SIAM SHADE
注目願い事ひとつだけ/小松未歩
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【夜空ノムコウ/SMAP】

 ご存知、人気グループ「SMAP」のミリオンヒット曲。98年1月14日にリリースされた27枚目のシングルは、5人のファンでなくても耳にした瞬間、ふと足を止めてしまう何かを感じさせる、心の奥底に響く1曲である。

 作詞はスガシカオ。4年半の広告代理店勤務を経て、一念発起して学生時代に打ち込んでいた音楽活動を再開。徐々にその名が世間に知れ渡りつつあった時期に描いたものだった。

 SMAPからの依頼、ということで満を持して作品を提供したかと思えば、詞が出来上がったのは、締め切り当日のこと。しかも、すっかり忘れていて、慌てふためいてわずか20分で書き上げたというから驚きだ。

 その日は札幌でのコンサート当日。集合場所の羽田空港で「きょうSMAPの締め切りだよ、覚えている?」とマネジャーに指摘されたスガ。「何か書かないと…」と思い、飛行機内で構想を練ると、空港に着き一目散にコンサートホールへ。控室に飛び込むと、ここで一気に書き上げた。「夜空のむこう」というタイトルをつけて、ファクスで送信。「曲によっては言葉を修正するかもしれません」とメモを付けて送った。タイトルのひらがながすべてカタカナに変わった程度で変更はなかった。

 一方、曲を提供したのはシンガーソングライターの川村結花。あのやや寂しげなメロディーは「今まで歩いてきた青春の扉がガッシャーン!って閉まって、気持ちがウワァーって動いた時に降りてきた」(オリコン 98年9月14日号)ことで世に出た。

 過去に付き合っていた男性とよく行っていた喫茶店を久しぶりに川村が訪ねてみると、そこにはもう店はなく、たてものすら取り壊されていた。少なくとも人生の思い出に残る時間を過ごした場所がなくなる…。このせつなさは体験した者でないと分からない。場所、思い出、状況はそれぞれでも、築き上げてきたものが音をたてて崩れるような瞬間は誰でも大なり小なりあるだろう。だから、聴く者は最初の1フレーズで心をギュッとつかまれるのである。

 「あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ」。

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