タモリが明かした40年前の舞台裏 「タモリ倶楽部」はスッカスカの番組をやれ、と言われて始めた

[ 2023年7月7日 05:10 ]

「タモリ倶楽部」の制作チームが特別賞を受賞し、トロフィーを手にスピーチするタモリ
Photo By スポニチ

 タレントのタモリ(77)が6日、都内で、優れたテレビ番組などを表彰する「第39回ATP賞テレビグランプリ」(全日本テレビ番組製作社連盟主催)の授賞式に出席した。テレビ朝日の冠番組「タモリ倶楽部」の制作チームが特別賞を受賞。番組は今年3月いっぱいで40年半の歴史に幕を下ろした。

 マニアックなネタを扱う深夜バラエティー。タモリの「誰が言ったか知らないが言われてみれば確かに聞こえる」で始まるミニコーナー「空耳アワー」はカルト的人気だった。番組終了後、タモリが公の場で番組について具体的に語るのは初めて。1982年10月の開始当初を振り返り「ウチ(所属事務所)の社長に言われたのが“今までの番組は全て密度を濃くして、編集に編集を重ねて作り出そうとしてるけど、タモリ倶楽部では全く逆のスッカスカの番組をやれ”だった」と明かした。

 「ビックリしたんですが、密度が濃いの反対をやればいいと思った」。間延びしてもいい、笑いが取れなくてもいい、間違ってもいい。その気楽さは番組の空気感に現れた。「いまだにスッカスカの意味は分からないんですけど、今で言う“ゆるい”“脱力”に近いのかなと思ってます」と話した。

 スタッフも同じ気持ちだった。演出の山田謙司氏は「失敗をオンエアしても許されるのはタモリ倶楽部ぐらいという気持ちでやってきました」と笑った。

 タモリが「番組的には大失敗。撮り直したいぐらい」と言ったのは3月31日の最終回。初めて自身が企画を提案した料理企画だったが、収録が押して3品の予定が2品しか作れなかった。山田氏は「40年やってても我々の脇が甘くて尺が読めなくて。2本分撮れたんですが、もう枠がなかった。間抜けな展開でした」と苦笑いした。

 タモリは40年も続けられた秘訣(ひけつ)を「反省しないこと。僕は自分の番組をあまり見ません」と明かしつつ、「国民の皆さんの懐の深さじゃないでしょうか。感謝しています」と番組を支えた視聴者に礼を述べた。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年7月7日のニュース