【R-1】“ダークホース”田津原理音がV 週3でミシン点検のバイトから頂点へ「どんな人生!?」

[ 2023年3月4日 20:52 ]

「R―1グランプリ2023」で優勝した田津原理音(撮影・佐藤萌花)
Photo By スポニチ

 一人芸の日本一を決める「R―1グランプリ2023」が4日、フジテレビ系で午後7時から生放送され、田津原理音(29)が優勝した。

 1stステージでは、カードゲームのレアカードのパックを開封しながら、その登場キャラや事象を、実社会でのあるあるにダブらせて笑いを誘った。普段はフリップ芸を得意にするが、「今回一新しまして、いいところを全部詰め込んで、違う形の見せ方にこだわった」と、心機一転の表現に挑戦。審査員5人の合計470点で1位通過し、「コットン」きょんとともに、上位2人が進む決勝へ進んだ。

 最終決戦でも、学園もののレアカードに一喜一憂する女の子をコミカルに演じた。ジャッジでは、5人中最初の4人できょんと2票ずつを分け合った。最後の陣内智則のジャッジが田津原と表示されると、両手で力強くガッツポーズ。感想を問われると、「どんな人生!?」と信じられない様子で声を張り上げた。

 家には7000~8000枚ほどストックを持つフリップ芸人。だが、人気芸人とは違い、舞台は月数回のお笑いライブのみ。週3、4回はミシンの点検のアルバイトをこなし、生計を立てているという。番組ではダークホースと紹介された。

 2013年にR―1に初挑戦。18年以降は毎年、準々決勝まで進んでいたが、準決勝では3度も敗れていた。「これのせいでピンをやめられなかった」と打ち明けた。決勝の高い壁に阻まれ続ける一方で、18年には濱田祐太郎、21年にはゆりやんレトリィバァと、同期たちが優勝。「続きたいなって気持ちはすごくあります」と本音を隠さず口にした。

 趣味のカメラでは、フォトコンテストに優勝した腕前を持ち、先輩芸人たちのポスター撮影を依頼されるほど。お笑いより先に、写真で認められた反面、悔しい出来事があったという。お笑い番組に、出演側ではなくグッズ撮影要員として呼ばれたことがあるそうで、「それがめっちゃ悔しかった。それって、僕が売れてないからじゃないですか?番組に出さなくてもいいって思われた」と振り返った。

 「1人でおもしろいやつが、一番おもしろいと思っている」。そのポリシーを決勝のステージで体現した。

 一昨年から出場資格が芸歴10年以内となったR―1は、今年が21回目。3537人がエントリーし、2月1~3日まで大阪、東京で準々決勝、2月11日に東京で準決勝がそれぞれ開催された。田津原のほか、Yes!アキト、寺田寛明、「ラパルフェ」都留拓也、サツマカワRPG、「カベポスター」永見大吾、こたけ正義感、「コットン」きょんが決勝に進んだ。

 MCは「霜降り明星」の粗品、せいや、女優・広瀬アリスが務めた。優勝者は賞金500万円と、全国放送の優勝者特番の権利を手にする。昨年はお見送り芸人しんいちが優勝した。

 ◇田津原理音(たづはら・りおん) 1993年(平5)5月25日生まれ、奈良県出身。大阪NSC卒業後、コンビを1年で解散し、ピン芸人に。同期にゆりやんレトリィバァ、濱田祐太郎、ラニーノーズ、ガンバレルーヤ、猫塾など。19年ABCお笑いグランプリで決勝に進出。趣味はカメラで、フォトコンテスト優勝経験も。大阪市生野区住みます芸人。

続きを表示

この記事のフォト

2023年3月4日のニュース