格差をエンターテインメントに昇華「パラサイト」ポン監督、過去には「ブラックリストにも入れられた」

[ 2020年2月11日 05:30 ]

第92回アカデミー賞授賞式 ( 2020年2月9日    米ロサンゼルス ドルビー・シアター )

第92回米アカデミー賞で作品賞を受賞し、喜ぶ「パラサイト」のポン・ジュノ監督(右)と出演者ら(AP)
Photo By AP

 ポン監督は、韓国映画アカデミーの在学中に撮った短編が香港国際映画祭に招待されるなど、早くから海外で注目を集めていた。03年の長編2作目の「殺人の追憶」では、サン・セバスチャン国際映画祭で新人監督賞など3賞を受賞。06年「グエムル―漢江の怪物―」では、韓国で当時の観客動員記録を更新するなど商業的にも成功した。

 保守の李明博、朴槿恵政権時代には、政権に不利益を与えると「文化芸術界のブラックリスト」に入れられたこともあった。それでも、共同も含め全ての作品で自ら脚本を手掛け、格差など社会的なメッセージを込めながらエンターテインメント作品に昇華させた。韓国映画についての著書がある元毎日新聞ソウル支局長、下川正晴氏(70)は「大した才能の持ち主。デビュー作から水準以上の注目作品を作ってきた」と評価。「韓国的なメンタリティーを持ちつつ、どこの国でもウケる作品が作れる。脚本賞を取ったということで、今後も賞を期待できる」とした。

続きを表示

2020年2月11日のニュース