4月からNY拠点 前途洋々の渡辺直美、あふれる才能の原点は…

[ 2019年4月11日 08:30 ]

渡辺直美
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 9年前の上海万博。ステージに渡辺直美(31)が立つと空気がガラリと変わった。それまで観客はまったく舞台に集中しておらず、大声で携帯電話で話しながら鑑賞している人までいた。ぽっちゃりビヨンセが登場し、キレキレのダンスが始まると「ヤンヤ、ヤンヤ」の大歓声。「日本語が通じなくてもここまで押し切れるって凄い…」と心底驚かされた。

 今月から米ニューヨークに拠点を移し、渡辺は新天地でリスタートを切った。向こうで思う存分働けるようアーティストビザを取得。これを手に入れるのがなかなか難しい。2016年のワールドツアーの成功や、トランプ米大統領らに並んで、雑誌「タイム」の「ネットで最も影響力のある25人」の1人に選ばれたことなどが評価されたのだろう。実は業界関係者の推薦文なども必要だったりする。関係者によると「ビザを取るのに2~3年の時間をかけてしっかり準備して行くことに決めた」という。

 基本的にビザの有効期限は3年。その後、1年ごとの更新となる。日本でのテレビのレギュラー3本と準レギュラー1本のうち、隔週収録のものを除いてすべて降板。腹を決めて現地に向かった。「まだ発表段階にはないですが、米ドラマのオファーもあると聞いてます」(スタッフ)と前途は洋々だ。インスタグラムのフォロワー数は日本一の870万人を突破しており、ファッションのアイコンとしての影響力も計り知れない。

 この表情豊かでパワフルな才能は一体どこから生まれたのか。過去のインタビューをヒモ解くと「三つ子の魂百まで」ではないが、幼少期の経験にあるようにも思う。日本人の父、台湾人の母を持つ渡辺は両親が離婚してカタコトの日本語を話す母と2人暮らしだった。そこで見続けたのがシンデレラなどディズニー作品だ。言葉は英語で字幕が台湾語。渡辺によると「言葉の意味が分からないので想像しながらセリフを考えて歌ったり踊ったりしていた。ずっと1人で遊んでましたね」という。ディズニーのキャラクターのような豊かな表情もその頃から培われたのだろう。

 本格的な経験もなかったのに見よう見まねでダンスも習得した。「めちゃくちゃ当たる占い師の先生に“前世は芸事の大好きな中国の王妃”と言われたことがあるんですよ。だから自然に踊れるんですかね?いつか世界でショーを見せられたらいいな」と話していた。

 気をつけるのは体調管理だけか。中学卒業後にファミレスでバイトし、そこのまかないが美味しすぎて50キロだった体重は75キロまで急増。今は1メートル57の103キロ。16歳から体重も年齢も2倍になった。パフォーマンスの動きもハードだけに無理のしすぎは禁物だ。

 ニューヨークでの第2章。世界の「NAOMI WATANABE」。そうなる日が遠くないうちに訪れそうだ。(記者コラム)

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2019年4月11日のニュース