藤井聡太七段の大盤解説は“名人級” 豪華カード「羽生VS菅井」でデビュー「対局より緊張」「勉強に」

[ 2018年12月2日 05:30 ]

解説デビューをした藤井聡太七段(中)。右は山崎隆之八段、左は貞升南・女流初段=第4期叡王戦 主催 ドワンゴ 画像提供:niconico
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 将棋の高校生棋士、藤井聡太七段(16)が1日、大盤解説者デビューを果たした。東京都渋谷区の将棋会館で指された叡王戦本戦トーナメント1回戦、菅井竜也七段(26)が羽生善治竜王(48)に勝利した対局で「ニコニコ生放送」の解説を担当。鋭い指し手予想や自身の趣味を披露するなど、対局時には見せない笑顔で大役をこなした。

 将棋ファンにとってぜいたくな組み合わせだった。将棋界第一人者の羽生と、平成生まれで初めてタイトルを獲得した菅井。豪華カードで初解説をこなした藤井は「対局より緊張した。対局者と自分の読み筋を比較でき、非常に勉強になりました」と振り返った。

 プロ棋士にとって、ネット中継の大盤解説やタイトル戦の記録係も重要な仕事。だが中学生でプロ入りした藤井は、学業優先のため経験がなかった。今回は土曜午後で前後に自身の対局もなく、万全の状況が整えられた。

 実力者ながら自虐キャラで知られる山崎隆之八段(37)、聞き手の貞升南女流初段(32)と息の合った掛け合いを展開した。山崎に「羽生さんはタイトル通算99期。藤井さんが毎年8冠獲っても30歳くらいになりますね」と振られると、すかさず「あまり意味のない計算ですね」と鋭いツッコミ。藤井の読み筋に、山崎が「それはいつから見えていたんですか」と驚嘆する場面もあった。

 一方であわや反則の「二歩」となる手を解説しかけたり、大盤で持ち駒を低い位置に貼ってしまい「もう少し上が見やすいですね」と山崎にフォローされる初々しさも。中継のコメント欄は「頑張れ!」「かわいい!」と盛り上がり、戦型や指し手を当てると「すげえ!」「なんだただの天才か」などの言葉が並んだ。対局途中の午後8時に惜しまれながら退室。最後に残していった予想手も当たり「格好良すぎる」と絶賛の嵐だった。

 視聴者の質問にも笑顔で対応。将来タイトル戦で行きたい場所は「温泉があるところ」、乗りたい列車には「189系が引退してしまうかもしれないのでその前に」と趣味の一端を披露した。スポンサーからケーキを提供され「クリームがしっとりしておいしい」と“食リポ”も。いろいろな場面に対応できる横顔をのぞかせた。

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