【カレイドスコープ】鈴木亮平「変態仮面」と「西郷どん」魅惑の振り幅

[ 2018年1月28日 09:00 ]

相撲の立ち合いの構えを決める鈴木亮平
Photo By スポニチ

 俳優の鈴木亮平(34)がNHK大河ドラマ「西郷どん」で主人公・西郷隆盛を熱く演じている。13年公開の映画「HK 変態仮面」で、その名を世に広く知られるようになってから約5年。抱く夢はこの大河主演にとどまらず、「地球に生まれたからには、いろいろな国の人と仕事をしたい」と世界に広がっている。

 ギャップがある。頭にパンティーをかぶって全裸に近い姿で戦う奇抜なヒーロー・変態仮面と、多くの日本人から愛される英雄・西郷隆盛。その2つを演じ切るところに、役者としての振り幅の大きさを感じる。

 「振り幅を持てているのは、ありがたいことです。どちら側も求めてくれる人がいるということですから、僕は本当に恵まれていると思います」と笑う。

 実は「変態仮面」主演を決めた時、マネジャーと「しばらくNHKは諦めよう」と話していた。ハレンチな要素があるヒーローを演じることで、公共放送からは敬遠されると考えたのだ。ところが、映画公開後、14年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」にヒロイン(吉高由里子)の夫役で出演。NHKに敬遠されるどころか、映画で見せた個性的で熱い演技を高く評価されていた。

 「NHKさんには恩を感じています。僕の振り幅の大きさを受け入れてくれる懐の深さがある」

 あの変態仮面の鈴木亮平があの西郷隆盛を演じる――。そのギャップに今回の大河ドラマの面白さがある。そして、そのようなギャップこそ、西郷隆盛という人物の魅力でもある。

 「西郷さんの魅力は相反するものが同居しているところです。確固たる意志を持って突き進む激情家の部分と、相手の気持ちをおもんぱかる繊細な部分を併せ持っている。大きくてたくましい体に優しい心が宿っているというギャップもある。そこが、男性にも女性にも魅力的に映るのではないでしょうか」

 自身が西郷を演じることにはギャップを感じていない。

 「僕も体が大きいので、大ざっぱな人間に思われがちなんですけど、結構、繊細なんですよ。僕が西郷さんを演じる意味はそこにあるのかもしれません。自分の大きな体、見られ方とのギャップを逆手にとって魅力として出せれば」と話した。

 俳優業を続けていく先に海外を見据えている。

 「この地球に生まれたからには、いろいろな国の人と仕事をしたいという思いが強いんです。僕は世界が特殊なものだとは捉えていません。今の時代、普通に仕事をしていれば、いつか外国につながるでしょう。“海外に挑戦する”“海外の方が優れている”というのではなく、日本にいる時と同じような気持ちで自然と、どの国の作品にも出られたら」

 この大河の共演者には、海外でも活躍する俳優・渡辺謙(58)がいる。渡辺は米・ハリウッド映画の「ラストサムライ」や「インセプション」などでトム・クルーズ(55)やレオナルド・ディカプリオ(43)ら国際的人気俳優と演技で火花を散らせてきた。

 「撮影現場に渡辺謙さんがいると空気が違って、僕もビシッとします。謙さんは気さくな人だけれど“背負っている物が違う”“歩いてきた道の重みが違う”と感じます。謙さんは日本人の俳優として世界に出て、それまでなかった道を築き上げてきた。真田広之さんもそうですけど、あの世代の方々が開いた道を、僕たちの世代で閉じるわけにはいきません。そこからさらに遠くへ進んでいかないといけない」

 この大河主演は世界への第一歩でもある。

 「まず日本人の芝居、日本人にしかできない芝居をしっかりできるようになった上で、日本人を背負っていきたい。そういう意味でも、今回の大河を1年がかりでやって、侍でいることが普通の状況、いつでも侍になれる状況をつくりたい。世界はその先にあります」

 世界を見据える中、新たな「変態仮面」を見る機会はもう訪れないのだろうか。もし製作が実現すれば、16年の「HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス」以来、3作目となる。

 「僕としてはやる気満々ですけど…。いろんなハードルがあるでしょうね」とほほ笑んだ。

 ≪早大相撲部で特訓≫「西郷どん」は相撲を取るシーンが多く、撮影開始前に早稲田大学の相撲部を訪れ、特訓を受けた。特に練習を重ねたのが立ち合い。「昔の相撲のスタイルは今のものとは違っていたらしい。昔は組相撲が主流で、組み合う前に胸と胸をバーンと当てる感じ。それを何度も練習した」と明かした。特訓によって相撲の実戦力も向上。「強くなった実感があります」とアピールしつつ、「この前、笑福亭鶴瓶さん(“西郷どん”で岩倉具視役)と相撲を取ったら、結構いい勝負になりました」と、思わぬライバルの名を挙げた。

 ◆鈴木 亮平(すずき・りょうへい)1983年(昭58)3月29日生まれ、兵庫県出身の34歳。東京外国語大学(英語専攻)卒。モデルを経て、06年に俳優デビュー。映画「TOKYO TRIBE」(14年)などに出演し、映画「俺物語!」(15年)に主演。ドラマでは日本テレビ「銭形警部」(17年)に主演。特技は英会話(英検1級)。身長1メートル86。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「騒動特集」特集記事

2018年1月28日のニュース