阿部サダヲ 出演作は必ず映画館で鑑賞「上映後のトイレが楽しい」

[ 2018年1月28日 10:00 ]

ブルーリボン賞主演男優賞を受賞し、喜びを爆発させる阿部サダヲ
Photo By スポニチ

 東京映画記者会(スポーツニッポン新聞社など在京スポーツ7紙の映画記者で構成)が選ぶ第60回ブルーリボン賞(17年度)で、主演男優賞に輝いた阿部サダヲ(47)。受賞インタビューでは、映画に出演した際の“ルーティン”を明かした。

 出演作は必ず映画館で見るというもの。舞台出身の俳優らしく、「自分が出てる舞台は絶対に見られないですよね。お客さんと一緒に見られるのは映画の良さ。反応が凄く面白いです」と理由を説明した。

 今回の受賞対象となった「彼女がその名を知らない鳥たち」も関係者向けの試写で一度鑑賞し、公開後に映画館に足を運んだといい「お客さんの反応が良かった。終わった後に黙ってる人が多かったので。いい反応でした。急にはしゃべれない感じですよね」と振り返った。恋愛に依存しながら生きる女と下品で滑稽な男のラブストーリー。「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督が人間を掘り下げた力作で、観客の沈黙に手応えを得たという。

 さらに、映画館での鑑賞の楽しみがもう一つ。「見た人とトイレに入るのも楽しい」のだという。上映後のトイレでは一緒に見た友人らと感想を交わす観客が多く、生の反応の宝庫。阿部は「一番面白かった」として、「寄生獣」(14年)を見た時のエピソードを披露した。同作では主人公の右手に寄生する「ミギー」の声と動きを担当し、スクリーンに姿は映っていなかった。トイレで隣り合った人たちが、本人が横にいるとは気づかず「阿部サダヲってどこに出てたの?」と話していたという。「エンドロールで名前を見て不思議に思ったんでしょうね」と笑った。

 阿部に限らず、自身の作品を映画館で見るという俳優や監督は多い。映画館で映画を見る時、スクリーンの中のあの人が近くの席やトイレにいるかもしれない。(記者コラム)

続きを表示

2018年1月28日のニュース