【ドラマ座談会】「BG」キムタクの“人間味”に好感 「きみが心に…」向井理に怖いもの見たさ

[ 2018年1月28日 12:30 ]

冬ドラマの主演を務める(左から)芳根京子、深田恭子、吉岡里帆
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 1月スタートの冬ドラマが出そろった。スポニチアネックス記者が初回を観て感想を語り合う「座談会」。極寒で震える体と心にあたたかさや熱さを届けてくれた作品は…。今回取り上げるのはこの5本。

 −−トップバッターは、木村拓哉主演の「BG〜身辺警護人〜」(テレビ朝日系)。初回視聴率は今クール民放連続ドラマで1位の15・7%と、貫禄の船出。

 K記者 キムタク演じる主人公。これまでのかっこいいだけの役柄ではなく、子供のこともあり影や闇を抱えている部分は年相応で、人間味がある。警察のSPとの対立とか見どころも多そう。

 R記者 何をしても注目されるキムタクだけど、カップラーメンを食べるシーンや電話をとる場面など何気ない所作に“男前”を差し込んでくるのはさすが。きざなセリフをナチュラルに言い回せるのも様式美として受け入れられる。

 Y記者 地上波ドラマでキムタクがアクションをやる場面が久々で新鮮な感じ。でもよくよく考えたらダンスも上手だし、アクションが様になっているのも当たり前でした。

 N記者 反抗期の男の子のお父さんをしているキムタクを拝めるとは。トレーニングシーンで着用した白い上下のスウェットが流行の兆しなのだとか。これまでもドラマで身に着けているアイテムが人気になるなど社会現象を起こしてきたけれど、その辺の影響力は健在。

 −−嵐・松本潤主演の「99・9」(TBS系)。こちらも初回視聴率が15%超えと好発進。

 R シリーズ化されるだけあり、役者たちの遊び心が満載で楽しい雰囲気がビシビシ伝わってきた。刑事裁判という地味な題材を扱いつつもエンターテインメントとして楽しめるのは、法律事務所の面々に個性があって飽きさせないからだと思う。

 K シリーズものの続編ってどうなるか分からないから不安もあったけど、問題なし。松本演じる深山たちの事件への取り組み方は変わってないんだ!というところを見せつける内容になっていてよかった。

 N 松潤が言うから許されるオヤジギャクが冒頭から炸裂。タペストリーの「咲雷賞(さくらいしょう)」、契約書に「所譲二」など小ネタも健在。前作でも楽しませてくれた要素がしっかり踏襲されているだけなく、トリック解説の描写の部分で、より分かりやすくなった印象。

 Y プロレスファンとしては、続編もプロレスネタ満載でよかった。オカダ・カズチカが初回に出てきてうれしい限り。登場場面はオカダの入場曲が流れてテンション上がった。

 −−月9「海月姫」(フジテレビ系)は、映画版に続き人気漫画を実写化。

 S記者 視聴前は少し地味かなと思った主演の芳根京子が、オタク姿からドレスアップした様子には華があり、シンデレラストーリーの配役としては成功していた。濃いキャラクターをどう生かすかがカギになりそう。

 Y 朝ドラ女優・芳根はさすがの演技力。個人的に一番驚いたのは三国志オタク女子を演じる内田理央。赤ジャージ姿で奇想天外な動きが目を引いて、最初は誰だか気付かなかったほど。

 R どうしても映画版と比較してしまう部分はあるが、役者のオタク演技が板についており振り切った様子が素晴らしい。今後“脱オタク化”されたビジュアルも披露していく展開になると思うので今から楽しみ。

 K 瀬戸康史のノリノリの女装が普通にかわいい。ヒロインと三角関係になる兄弟の関係が逆だったりと、いろいろ設定の変更もあるようで、その辺は今後作品にも影響してくるのかな?

 −−ラブ“ホラー”ストーリーの「きみが心に棲みついた」(TBS系)は?

 R 三角関係を描いた恋愛ものかと思いきや、想像以上にエグい内容で衝撃。ただ、ホラー作品の視点で見てみるとかなり秀逸。明るい日常が一気に壊される瞬間など、映像から恐怖を引き出すテクニックが満載だった。

 K 向井理が怖すぎる。完全に怖いもの見たさかな。作品的には、昨年放送の同枠「あなたのことはそれほど」を思い出すザワザワ感。不快なんだけどなんか気になる…そんな作品。

 S かなり危ない元彼、向井の新境地は評価できる。ハードな設定ながらポップなラブコメディーのテイストに仕上げているのが新しい。DVのシーンはきわどいので賛否両論出そうかな。ある意味今期一番注目のドラマかも。

 Y 今をときめく吉岡里帆の連ドラ初主演作。周囲のキャストが豪華なので埋もれてしまうかと思っていたが、うまく演じ切っている。努力家の吉岡だけに存在感を発揮できるよう頑張ってほしいな。

 −−最後は「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系)。結婚・妊娠・出産観など現在社会が抱える課題を網羅。

 K 共同で建設する集合住宅「コーポラティブハウス」を知らなくて、こんなものがあるのかと、まず感心。思いのほか普通の家族がいなかった。クセが強いというか、いろんな要素を詰め込み過ぎの感も。

 R 現代社会の悩みやトレンドが隅から隅まで組み込まれていて、個人的には説教臭く感じてしまった。さながら教習所のビデオを見ているようだけど、立場や生活が変わればかなりグッとくる作品。一貫して陰鬱な雰囲気ではなかったのもよかった。

 N 共有空間での生活だから、家族が抱える秘密や問題は徐々にオープンになっていくんだろうけど、同性カップルの生活だけは、こっそりのぞき見していたい。演じる眞島秀和と北村匠海の絡みの美しさといったら。壁ドンやキスシーン…。腐女じゃなくてもほれぼれ見入ってしまう程。

 Y デリケートな社会テーマを扱うと決めたからこそ“人の幸せはそれぞれ”という多様性社会の一つの帰結したメッセージでは終わらせてほしくない。このドラマならではの答えやメッセージを知りたい。

 【座談会出席者】S記者=40代男性、隣のご主人は宝くじ高額当選者。N記者=40代女性、隣のレジはスイスイ進む。K記者=40代女性、隣のクラスはゴスペル。Y記者=30代男性、隣の会社は輝いて見える。R記者=20代男性、隣の席の女の子は好きになりがち。

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