久保王将“積極的”四間飛車VS豊島八段“自然体”4枚穴熊

[ 2018年1月28日 05:30 ]

第67期王将戦7番勝負第2局第1日 ( 2018年1月27日    佐賀県上峰町・大幸園 )

豊島八段(左)の1手で第2局が始まる(右は久保王将)
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 久保利明王将(42)に豊島将之八段(27)が挑む第2局が開幕した。先勝した豊島の先手で始まり、注目の戦型は久保の四間飛車。桂の高飛びに角の直射で積極的に豊島陣に迫った。豊島は自然に4枚穴熊に組み、カウンター狙いの様相。28日の2日目、午前9時から対局が再開される。

 先手後手が入れ替わり、両者の棋風まで交代した。第1局は居飛車党の豊島が相振り飛車を決断して快勝した。終局は昼食休憩後27分しかたたない午後1時57分だった。副立会人・北浜健介八段は今回を「久保王将の積極性、豊島八段の自然さ」と形容した。

 久保の38手目[後]9三桂、46手目[後]8五桂の跳躍。42手目[後]4五歩の突き出しで久保角の直射は9九の豊島王をにらんだ。囲いが完成するまで手数がかかる分、堅さが際立つ穴熊を選ばず美濃で済ませてより攻撃的に出た。

 豊島については「自然な指し手を積み重ねている印象」とした。金銀3枚でも十分堅い穴熊に本来攻め駒のもう1枚の銀まで引き寄せる。51手目[先]7四歩(第1図)の突き捨ては久保角の直射を遮断する53手目[先]7七歩の狙い。「王将の攻めを受け止めてのカウンター狙いです」

 王将戦では5年ぶりの佐賀対局。当地出身の歌手・故村田英雄さんの代表曲「王将」は明治から昭和の棋士・阪田三吉がモデル。自ら「関西名人」を名乗っての活躍だけでなく、門下からは多くの棋士を輩出した。久保はそのひ孫弟子に当たる。

 対局場は鎮西山の麓にあり佐賀平野や有明海、晴れると雲仙・普賢岳までのパノラマが楽しめる。大阪市在住の久保に兵庫県尼崎市の豊島。棋界7年ぶりの「関西対決」にゆかりある舞台で、2日目、「一直線も曲線的な展開もある」と久保、豊島は「相手の出方を見て流れに乗っていきたい」と斬り合いへ突入する戦いを見据えた。

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