那須川、RENA、矢地祐介…「RIZIN」始まった新たなプロローグ

[ 2018年1月6日 10:30 ]

<RIZIN>第10試合 那須川天心×藤田大和 1Rに3度目のダウンを奪ってTKO勝ちの那須川
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 総合格闘技の祭典「RIZIN」が大みそかに大きく転がり始めた。新しい物語が紡がれるまで3年の時間がかかったが、「点」だった流れが、やっと「線」になって行きそうである。

 キックルールによる1DAYトーナメントを豪快なKOで制した那須川天心(19)も、MMAバンタム級トーナメントで、メジャーのすごみを見せつけ優勝した堀口恭司(27)も新たな目標を掲げた。那須川はK―1のエース武尊(たける、26)との頂上決戦を、堀口は米メジャーUFCで唯一の黒星を喫した現UFCフライ級王者デメトリアス・ジョンソン(31)との対戦をぶち上げた。実現すれば黄金カードである。

 女子スーパーアトム級トーナメントでは初代女王に輝いた浅倉カンナ(20)に、さいたまスーパーアリーナが沸き返った。6年間無敗のRENA(26)をリアチョークで締め落とす大金星。まさかの結末に「格闘技に絶対はない。ミスをした者が負ける」ということを思い起こさせた。今後、挑戦者のRENAがプライドをかなぐり捨て、追い込めば追い込むほど“ジョシカク”は面白くなる。29日の大会で判定負けしたKINGレイナ(21)もしかり。18年は「逆襲」がキーワードになる。

 フジテレビの中継については、5時間15分にわたる放送にもかかわらず、試合の煽り映像やダイジェストが多すぎるとの指摘がネットでは持ち上がっている。やはり主な試合は全編放送すべきで、試合以外の映像が続くと視聴者の集中力も途切れ、選手に対する認知度も上がらない。ゴールデンタイムの2部の平均視聴率は6・4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。今年の大みそかはミルコ・クロコップ(43)のラストマッチとなるが、間口を広げるためにも、朝青龍(37)戦など世間に訴える分かりやすいカードが組まれることを期待したい。

 新たなプロローグが始まったRIZIN。憧れの選手だったという“火の玉ボーイ”五味隆典(39)を三角絞めで粉砕した“お祭り男”矢地祐介(27)にも注目だ。高額なファイトマネーというネックはあるが、70キロ契約でのワンマッチでヒクソンの息子クロン・グレイシー(29)との対戦はどうか。そろそろグレイシー狩りの物語の続きも見てみたい。

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2018年1月6日のニュース