NHK「プロフェッショナル」取材対象者はどう選ぶのか?
NHKの人気ドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」(総合テレビ・毎週月曜午後10・25)。「仕事」をテーマに、その道に情熱を燃やし、人生を懸けて挑んでいる人物に密着し、それぞれのプロとしての“流儀”を伝えてきた。06年1月に放送がスタートし、今年12年目に突入。24日の放送では女優・宮沢りえ(44)の生き様に迫る。様々な業界の“一流の中の一流”を追うが、取材対象者はどのようにして決めるのか。独自の取材方法や番組ならではの特徴的な演出について、立ち上げメンバーの一人である大坪悦郎プロデューサーと、過去の放送回で米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手(28)に密着した大久保圭祐ディレクターに聞いた。
――取材から編集まで、番組制作に携わる人数を教えてください。
【大坪P】「取材から編集まで直接関わるのは、ディレクター1人です。取材でプロフェッショナルを見つけたディレクターが、カメラマンと音声でチームを作り、現場をロケします。撮影を終えたディレクターは、編集マンと2人で映像をつなぎます。ある程度つながったところで、全体を統括するプロデューサー、サポート役のデスクと一緒に試写し、形にしていきます。制作班には、ディレクターが9人。それぞれが、それぞれのチームでプロを追いかけ、番組を制作しています」
――取材対象者はどのようにして決めるのですか?
【大坪P】「ディレクターが取材したい人物を考えます。月に1回の企画会議で“この人に密着したいです”と名前を挙げ、プロデューサーやほかのスタッフと検討します。会議の場以外でもディレクターとは日々コミュニケーションを取り、次の取材対象者はどのような人物を考えているか聞いています。プロデューサーやデスクも“この人が面白いんじゃないか”と提案することもありますが、基本的にはディレクターがメインで考えます」
◆出演交渉は困難の連続も…“一流の中の一流”に出てもらうのが番組の存在価値
――撮影許可をもらうのは大変ですか?
【大坪P】「毎回大変です(笑)。“知る人ぞ知る”といった、その道では有名でありながらも世間一般にはまだ知られていない方、あるいはメディアへの露出が少ない方に『密着』することが、この番組の存在価値だと考えています。当然、出演交渉は困難の連続です。手紙を何通も書いて、数カ月、数年をかけて口説くディレクターもいます。反対に、いわゆる“売り込み”は原則お断りしています。“ウェルカムな現場”だと、取材相手との距離が近すぎて、何が本物なのか見失うことがある。また、気をつかっていただいて「今日やるはずじゃなかったけど、これやりましょうか」とか、いわゆる普段の『素』が撮れなくなるおそれがあります。これは立ち上げ当初から変わらない番組の姿勢です」
【大久保D】「他の局でパロディーにされるほど、番組の色や個性が、世間に浸透していると現場に立つ自分も感じることが多い。田中選手も“プロフェッショナルなら…”と前向きに応じてくださった。10年以上をかけて築いてきた番組への信頼感は、正直すごいと思う」
【大坪P】「今でこそ『プロフェッショナルといえば…』と認知してもらっていますが、立ち上げ当初は大変でした。私は、左官の挟土秀平さんに密着(06年3月7日放送)しましたが、最初の放送が06年1月で、ロケを始めたのが05年11月くらいでした。当然、どういう番組なのか世間に認知されていないどころか、担当ディレクターの私自身、きちんとした番組を見たことがない(笑)。挟土さんに“どんな番組なのですか?”と聞かれて、“仕事の流儀を紹介する番組です”と答えるのがやっとでした」
◆編集も全力投球、撮影した素材は早送りではなく実時間で全てチェック
――出演が決まると密着撮影という真剣勝負がはじまります。
【大久保D】「出演が決まってからは“どれくらい撮影させてもらえるのか”と交渉するのも大変です。田中投手のときは本人にお願いして、プライベートなど野球と関係のない場面も撮影させてもらいました。ですが、大切な試合が控えているときはどのくらいまで密着してよいのか、線引きが難しかったです」
――撮影期間はどのくらいですか?放送日までの編集行程を教えてください。
【大坪P】「平均は40日くらいです。その後に約1カ月かけて編集して放送します」
――編集に1カ月と聞いて驚きました。撮影と同じくらい時間をかけているのですね。
【大坪P】「最初の1週間でディレクターと編集マンが撮影したものを全て見ます。それも早送りではなく、実時間で見るのでどうしても時間がかかってしまいます」
【大久保D】「田中将大選手のときは、合計60時間でした」
――最初の1週間で素材を見て、その後1、2週間の間にナレーションなどを含めて編集するのですね。
【大坪P】「そうです。そして最後の1週間できっちりと詰めていきます。まず、試写で頭から最後までつなぎ終えたものを一度見ます。分かりにくい部分や改善点などを話し合って、もう一度編集し直します。泣く泣く削る部分もありますが、3回目か4回目に放送用の尺になります」
◆番組を象徴する「黒ポン」演出、究極のエッセンスをキャッチコピー化
≪≪「プロフェッショナル」の映像といえば、黒色の背景に白い文字が浮かび上がる印象的な演出を想像するだろう。プロたちが一流の道を極めるために苦悩する中、導き出した答えや大切にする思いを画面に表出するシーンだ≫≫
――番組の特徴的な演出ですが、文字を考えるのはディレクターですか。それともプロデューサーでしょうか?
【大坪P】「ディレクターが考えています。取材した人物が話した言葉や、大切にしている思いをキャッチコピー化するといいますか、視聴者に的確に伝わるようにします。試写の場でプロデューサーやデスクと話し合うこともあります。ちなみにあの演出は、黒ベースにピアノの音でポンと白字が出てくるので『黒ポン』と呼んでいます(笑)」
――番組のマイナーチェンジはあっても『黒ポン』演出は必ず使っていますね。
【大坪P】「この番組を立ち上げた、チーフプロデューサー有吉伸人さんが番組の演出を考えました。歌手のスガシカオさんが歌うテーマ音楽『Progress』とナレーションと『黒ポン』の3本柱は今後も変えないで行こうと。家元・有吉さんの演出を継承しています」
――最後に番組作りの醍醐味を教えてください
【大久保D】「一線級の人に密着できる、こんな経験はなかなかできません。どんなことを考えているのかと根掘り葉掘り聞く。その人の息遣いも聞こえる。この番組をやっていて楽しいといいますか、幸せなことです。取材する一流のプロに私自身が追いつけるとは思っていませんが、番組を通じてプロの“仕事の流儀”を視聴者にしっかり伝えたいと思っています。難しいですが、その過程も楽しいですね」
【大坪P】「『プロフェッショナル』に限らずドキュメンタリー制作者にとっての醍醐味は、取材した人が積み上げてきたものを追体験できることです。職人さんが何十年と突き詰めて導き出したもの、究極のエッセンスを見せてもらっている。物凄く贅沢なことだと思います。そして、その人が築き上げてきた大切なものをきちんと視聴者にお伝えするのが我々の責任だと考えています。この仕事をやる上で、忘れてはいけないことだと思います」
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