“スマホの歌姫”井上苑子 中野から全国区へ 動画視聴でJKから支持

[ 2017年5月4日 08:30 ]

“スマホの歌姫”として人気のシンガー・ソングライター、井上苑子
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 若手シンガー・ソングライターの井上苑子(19)が“スマホの歌姫”として、サブカルチャーの発信地として知られる東京・中野から全国区に羽ばたきつつある。

 先月26日には、“地域の聖地”中野サンプラザで初めての単独ライブを開催し、約2000の客席を満員にした。「大好きな地での盛り上がりが、成長の第一歩になれば」とブレークを誓っている。

 高校1年で上京して以来、当時事務所があった中野のスタジオを拠点に約1年半、週末に無料ライブを行うなど実力を磨いてきた。最初は閑古鳥が鳴いていたが、可愛らしいメロディーと屈託のない性格が評判になり入りきれないほど客が集まるようになった。2015年にメジャーデビューすると、リサーチ事業大手のINGによる女子高生100人を対象にした若手女性歌手の人気アンケートで1位に輝いた。

 “スマホの歌姫”の通称は女子高生らの行動に由来する。主にスマートフォンで「ユーチューブ」や「ツイキャス」などの動画配信サービスで井上の動画を視聴し、まるで手の中のスマホに入って歌っているように見えることから定着した。

 中野は1966年(昭41)に当時最先端の複合施設「中野ブロードウェイ」が開業したころから、独自の文化を全国に発信してきた街。歌手の沢田研二(68)が居住したり、80年代に入ってからは有名なジャズ喫茶「ビアズレー」などを中心とした「中央線ジャズ」や、80年に開業した「まんだらけ」を拠点としたオタク文化の中心地となった。

 13年に明大、14年に早大がキャンパスを開設し「学生の街」に変化していることもあり、スマホの歌姫の魅力はより浸透している。「以前から地元の方に“サンプラザでできたらいいね”と声をかけてもらった。中野は思い出でもあり大好きな場所。応援してもらえている実感がうれしい」と話す。中野を飛び出して次に目指すのは、“全国の聖地”日本武道館公演だ。

 ◆井上 苑子(いのうえ・そのこ)1997年(平9)12月11日、兵庫県生まれの19歳。ボイストレーナーの母の影響で歌に親しみ、11歳から大阪・心斎橋で路上ライブを始める。13年4月に上京。15年7月にミニアルバム「♯17」でメジャーデビューした。ユーチューブなどの動画再生の総数は4500万回を突破。新曲「メッセージ」は映画「ReLIFE」の主題歌になった。特技は空手で、黒帯の実力者。

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