芸能生活50年 ちっさい池乃めだか、欲もめっちゃちっさいで~

[ 2015年11月15日 15:13 ]

芸能生活50周年を振り返った池乃めだか

 10月に芸能生活50周年を迎えた吉本新喜劇の池乃めだか(72)が20日に開催される「ちっさいおっさん大祭り」(なんばグランド花月)を前に自然体で歩んできた半世紀を振り返った。記念イベントには、落語家・笑福亭鶴瓶(63)、親交のある音楽ユニット「DA PUMP」のボーカル・ISSA(36)がゲスト出演する。

 流れるままにたどり着いた境地だ。その代名詞「身長と長さが同じ」ネクタイ芸もそう。15年ほど前のある日、「他にネクタイを使ったギャグをやっていて、ふと思いついた」という。

 私生活でほぼ着けないため、頂き物が多い。手持ちはトータル「50本はないかな」。それどころか10本程度、衣装係にプレゼントしたこともある。出演者に在庫の少なさを指摘される姿を見かけたからだ。「こだわりのない方」と吉本関係者も語る芸能人生をいちずに歩んできた。

 50年を「早かったな」と振り返った。サラリーマンに飽きて芸能界に転身。欠員募集していた正司玲児のコミックバンド「ピスボーイ」がきっかけで、加入10日でドラマー“デビュー”した。「いきなり(ドラムを)やれ、って。足は震えて、客席なんかもよく見えなかった」。以降は「海原かける・めぐる」の漫才コンビとして8年半活動し、76年から吉本新喜劇で活動を始めた。

 「漫才やりながら、営業先で新喜劇に出たりしていた」。興味がなかったわけではないが、本腰を入れたわけでもなかった。「コンビの新しい相方を見つけようと思ったけど、なかなか見つからない。流れるままに気がついたら、骨の髄まで新喜劇のメンバーに」。自然と自分の居場所を確立した。

 1980年頃、間寛平の新喜劇チームに入り、寛平演じるサルとネコのコンビが生まれた。「テレビ見たらサルをやっていた。対峙(たいじ)した時にネコでいったらどんな反応示すんだろうと。寛平ちゃん、天才的だから即座に返してきた」。打ち合わせなしで生まれたお家芸。小学生時代に自宅で飼い、観察して作文にすると表彰されたほどのネコ好きも芸の肥やしになった。

 小さい頃の夢は「国会議員か科学者」。しかし、今は欲がない。「満足している。夢のない人と言われるかもしれないけど」と穏やかな口調。現在は公称1メートル49から少し縮んだようで1メートル48・5。小さな体で大きな笑いを生んできた。「新喜劇は命です!とか、気の利いたことは言えないな」としたが、もはや生活の一部であることは口に出すまでもない。垣根の低さで観客を笑顔にしていく。

 ◆池乃 めだか(いけの・めだか)1943年(昭18)7月3日、大阪府守口市出身の72歳。66年に芸能界入り。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。97年上方お笑い大賞。頭部の未破裂性脳動脈瘤(りゅう)で2012年4月に開頭手術を受け、1カ月半後に復帰した。

 ◇池乃めだかの主な定番ギャグ

 ★ネクタイと身長が同じ 「オレがネクタイ外したらどうなるか分かるか!」「どうなんねん?」(ネクタイを持って頭の高さから垂らして)「長さが(身長と)一緒や!」と言い放つ

 ★カニバサミ 苦しむふりをして、心配そうに近づいた女性を両脚で挟み込んで「カニばさみ」と苦しませる

 ★保安官のロバート 自己紹介で「みなさんにお会いできて光栄です。保安官のロバートです」

 ★きょうはこれぐらいにしといたるわ ケンカでボコボコにされた後、上着を脱いで臨戦態勢かと思わせ「よっしゃ、きょうはこれぐらいにしといたるわ」と勝ち誇って上着を着直す

 ★ネコまね ネコをまねてボールを相手にじゃれるが、最後は便を出す

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2015年11月15日のニュース