「トラック野郎」文太さん、キンキンしのびデコトラ640台集結

[ 2015年7月20日 06:40 ]

「トラック野郎」全10作で主演の菅原文太さんが乗っていたトラックのレプリカ

 映画「トラック野郎」シリーズに出演し昨年11月に亡くなった菅原文太さんと、今年4月に亡くなった愛川欽也さんの追悼イベント「感動をありがとう桃次郎☆ジョナサンよ永遠に」が19日、茨城県大洗町で行われた。シリーズの“顔”でもあった色鮮やかなデコトラ(デコレーショントラック)が、全国から約640台集結。2000人を超える人々が、惜しまれて逝った2人の“トラック野郎”をしのんだ。

 会場には献花台のほか、約160点の秘蔵写真が飾られた。この日のために、文太さんが演じた主人公・星桃次郎の愛車「一番星号」のレプリカも展示され、記念撮影の輪ができた。発起人の宮崎靖男さん(71)は「現在はもうない部品も多く、再現するのに約1500万円かかった」と話した。

 宮崎さんは現役のトラック運転手で、デコトラ親睦会「哥麿(うたまろ)会」の初代会長。映画の製作に尽力するとともに、シリーズ全10作に出演した。この日(7月19日)は第1作「トラック野郎 御意見無用」の製作発表が行われた記念すべき日。宮崎さんは「あの日を境に僕たち運転手の生活も大きく変わった。あらためてお二人に感謝したい」と話した。

 イベントが開催された大洗海岸近くの特設会場は、東日本大震災で高さ4・2メートルの津波が押し寄せた場所。奇跡的に津波による犠牲者はなかったが、震災を機に観光客数は落ち込んだ。会場の確保に尽力した水戸市在住で建材会社社長の石川健一さん(51)は「久しぶりに町が盛り上がるイベントになった」と喜ぶとともに、「全国から集まってくれた運転手の方々に大洗の素晴らしさをアピールしてもらえれば」と期待。関係者は、天国の文太さんとキンキンが、震災復興にも力を貸してくれるようにと願っていた。

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