文楽太夫の人間国宝、竹本源大夫さんが死去 83歳、心不全

[ 2015年7月20日 17:46 ]

 人形浄瑠璃文楽の太夫で人間国宝の九世竹本源大夫(たけもと・げんだゆう、本名尾崎忠男=おざき・ただお)さんが20日午前8時17分、心不全のため大阪市内の病院で死去した。83歳。大阪市出身。葬儀・告別式は22日午後1時から大阪市阿倍野区阿倍野筋4の19の115、大阪市立やすらぎ天空館で。喪主は長男で文楽三味線の二世鶴沢藤蔵(つるざわ・とうぞう)氏。

 初世藤蔵の長男に生まれ、1946年、四世竹本織大夫(後の八世綱大夫)に入門。竹本織の大夫を名乗った。63年に五世織大夫を襲名。94年から太夫の最高位「切場語り」になり、96年、九世綱大夫を襲名した。

 師の芸風を継いだ近松物に真価を発揮し「国性爺合戦」「封印切」などを得意とした。92年に芸術選奨文部大臣賞、94年に紫綬褒章。2007年に人間国宝になった。

 世襲制ではない文楽界には珍しく、4代続く文楽一家としても知られた。11年には、祖父が名乗った源大夫の九世を襲名。長男も二世藤蔵となり、父子同時での祖父の名の継承が話題となった。太夫で人間国宝の竹本住大夫さんは義兄。

 14年7月、体調不良を理由に引退した。

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2015年7月20日のニュース