ASKA末期的中毒だった 体と脳やられ…歌手復帰まで最低3年

[ 2015年3月20日 06:05 ]

歌手のASKA

 覚せい剤使用などで執行猶予付きの有罪判決が確定した歌手ASKA(57)が19日、麻薬取締法違反(営利目的譲渡)罪などに問われた暴力団幹部の東京地裁での公判に証人出廷した。法廷で覚せい剤の使用頻度を初めて具体的に明かし「(使用量が)多かったと思う」と話した。薬物の専門家はスポニチ本紙の取材に、ASKAが証言した使用量について「相当多い」とし、歌手復帰には3年以上かかるとした。

 ASKAの中毒ぶりが初めて具体的に明らかになった。

 この日は、検察側の証人として出廷。証言台と傍聴席の間についたてが設けられ、表情はうかがい知れなかった。関係者らによると、紺色のスーツに青いネクタイ、黒縁眼鏡姿で、頬がこけた印象。マイクを通じて証言し、声は昨年8月の初公判時よりも張りがあった。

 検察側に覚せい剤の使用頻度を聞かれ「一日に3回。1回あたり約0・1グラムを使った」と説明。覚せい剤は3グラムを36万円で譲り受けたという。10日ほどで使い切ると、“運び屋”に電話し、「きょう会えますか」との合言葉でまた3グラム分を依頼。2013年11月から14年5月に逮捕されるまで、このペースで使用し続けたという。

 使用方法は、覚せい剤をあぶって気化した煙を吸う「あぶり」。この日はさらに具体的に「ガラスのパイプに覚せい剤の粉末を入れ、吸引口をねじるようにして鼻の中に入れてあぶって使った」と明かした。

 「10日で3グラム」の使用実態が示すのは、ASKAの重度の中毒ぶりだ。薬物依存回復のためのリハビリ施設「館山ダルク」(千葉県館山市)の十枝晃太郎代表は「一般的には、1グラムあれば1週間から10日は持つとされる。10日で3グラムを使い切るペースは末期的な状況だ」と説明。歌手復帰を目指すASKAだが、十枝氏は「体と脳が受けたダメージは相当大きい。治療して3年ほど休養して、復帰はまだその先の話」と指摘した。復帰までは最低でも3年以上はかかりそうだ。

 ASKAは昨年7月の保釈後、千葉市の病院に入院し「条件反射制御法」と呼ばれる最新の治療を受けた。その後、群馬県内のリハビリ施設に入寮し、今年1月に退寮。現在は都内の自宅などで治療を続けている。しかし、この日明らかになった重度な中毒ぶりに、関係者は「独力の治療だけで更生できるか」と疑問を呈した。復帰までの道のりは長そうだ。

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