米朝さんを悼む…桂文枝「思い出と感謝の言葉がたくさんありすぎて」

[ 2015年3月20日 00:55 ]

死去した桂米朝さん

 上方落語の大御所、桂米朝さんが19日午後7時41分、肺炎のため死去。落語界や、ゆかりの深かった関西では悲しみの声が広がり、上方落語協会の桂文枝会長(71)は「いまは言葉が見つかりません」と談話を発表した。

 文枝は「いまは言葉が見つかりません。入門してからずっとお世話になりました。師匠に教えていただいた『二人ぐせ』をはじめ、いろんなネタ、思い出がありすぎて整理がつきません」と悲しみの深さをうかがわせるコメントを発表。還暦を迎えた時に米朝さんから掛けられた「噺家としたらこれからやがな、頑張らんと」の言葉が励みになり、「会長として今日まで頑張ってこられたと思います」と感謝の思いを明かした。

 「協会会館に車いすで見に来ていただいたこと、(立川)談志師匠と和解の宴に出ていただいたこと、最後にお会いした日。生涯忘れることはありません。本当にありがとうございました。思い出と感謝の言葉がたくさんありすぎて、収拾がつきません。ご一門さまの悲しみもいかばかりか。とにかく、いま、ただただご冥福を祈って合掌するのみでございます」と悼んだ。

 ▼落語家の笑福亭仁鶴の話 噺のネタをいくつか教えていただいて、稽古をつけていただいて、落語のことをいろいろ教えていただいた師匠です。誠に残念です。ご冥福をお祈り致します。

 ▼上方落語協会理事の落語家・桂福団治の話 消滅しかかった古典作品を発掘し、現代人に分かりやすく伝えた人で、昭和の上方落語において中興の祖だった。私が手話落語を始めたとき周囲から反対されたが、米朝師匠がただ一人賛同して「おい、手話落語できへんか」と他の落語家に声を掛けてくれた。人間的にも大人物で、私のようなよその門下の者もかわいがってくれた。

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2015年3月20日のニュース