「花燃ゆ」意外にも若年層から高評価「気骨ある井上真央かっこいい」

[ 2015年2月14日 16:15 ]

高杉晋作を演じる高良健吾

 1月4日にスタートしたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」。初回視聴率が歴代ワースト3となり、その後も上昇の兆しを見せていないなど、何かとネガティブなニュースが目立つが、意外にも若年層から今後の展開に期待する声が上がっている。

 データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象者3000人)によると、初回満足度は3・6(5段階評価)。過去2作品の初回(軍師官兵衛が3・62、八重の桜が3・76)を下回った。また8日放送の第6話でも3・46と数値は高くなく、視聴者の回答からは「話の展開がわかりにくい」(54歳、女性)、「理解が追いつかない」(57歳、女性)など、大河を長年楽しんできた年配のファンからは厳しい指摘が少なからずあった。

 一方で若年層の見方はどうだろう。20歳~35歳のいわゆる「M1・F1層」では、第6話までの平均満足度が3・96と、高満足といわれる3・8を大きく上回る数字となっているから面白い。回答からは「俳優陣が豪華」(28歳、女性)「大沢たかおカッコいい」(21歳、女性)「井上真央の気骨のある演技がかっこよかった」(33歳、男性)など、出演者に対する高評価に加え「主人公が切ない。歴史がわかってためになる」(31歳、男性)「評判は良くないが、まだまだこれからの展開が楽しみ」(33歳、女性)など、吉田松陰の妹という比較的地味な主人公から幕末維新の難しい歴史をひも解く試みや、今後の話の行方に興味を示すなど、応援団的な意見が若者を中心にあることも見逃せない。

 初回では長年の大河ファンと思われる視聴者から、今までと違った大河らしくない「新しさ」に戸惑う意見が多かったが、若い視聴者はある意味、大河っぽくないセリフの言い回しや若い俳優陣などが違和感なく受け入れられ、好意的な見方をしている傾向がうかがえる。次々回の第8話(22日放映予定)からは、伊勢谷友介演じる吉田松陰が、明治維新の原動力となる志士たちを育てた松下村塾を主宰、久坂玄瑞(東出昌大)や高杉晋作(高良健吾)ら、激動の幕末を語る上で欠かすことのできない若き志士たちが続々と登場する。

 視聴率という物差しで見ると、現時点では苦戦と言わざるを得ない。しかし、視点を変えてみると、若年層に支持率が高いということは、新しい大河ファンを開拓中という側面もあるといえる。批判を恐れず、視聴者が次も見たいという作品を年末まで積み上げていけるかどうか。ブレない姿勢が、何かを生み出す可能性は十分ある。

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2015年2月14日のニュース