唐沢寿明「杉原千畝」“世界公開”も視野 ポーランドで長期ロケ

[ 2014年10月30日 05:30 ]

ポーランドのウッジで映画「杉原千畝」の撮影に臨む唐沢寿明と小雪。撮影現場は19世紀にユダヤ人の富豪が建てた宮殿

 俳優の唐沢寿明(51)が、第2次世界大戦時にナチスの迫害を受けるユダヤ人を救った外交官、杉原千畝(ちうね)氏を描く映画「杉原千畝―スギハラチウネ」(来年秋公開)に主演する。現在、夫人役の小雪(37)とともにポーランドで長期ロケ中。「戦争はどういうものか、人種差別はどうしていけないのかを伝えられる」と使命を感じながら撮影に臨んでいる。

 ポーランド中央部のウッジで、唐沢は生き生きとした目で、「日本のシンドラー」と呼ばれる杉原氏を演じている。「ここでは俺たちが外国人で、共演者のポーランドの俳優の方が有名人。俺たちを知らないから、同じ土俵でできる。プロとしてはやりやすいですね」と笑顔を見せた。

 ポーランドは、2003年のフジテレビドラマ「白い巨塔」のロケで訪れて以来。9月13日から来月上旬まで2カ月近く滞在し、全編を撮影する。慣れない環境での撮影は連日深夜まで続いており、しかもセリフの6割が英語。本番直前の変更も多く、「集中力を小出しにしないと持たない」と苦笑いだ。

 杉原氏は1930年代から、世界情勢を政府に伝える諜報(ちょうほう)外交官を務めた。一方で、リトアニアの領事館で政府の許可なしにユダヤ人へビザを発給して亡命を手助けし、約6000人を救ったとされる。自身の工場で働いていたユダヤ人、約1200人を助けたドイツ人実業家オスカー・シンドラー氏と並んで語られる。終戦70年特別企画の本作は、苦悩の連続だった杉原氏と、そんな夫を支えた幸子夫人の姿を描く。

 リスクを負い、ビザを発給した杉原氏。唐沢はそれを「見返りを求めない優しさ」と理解している。「大変な時代に重いものを背負っていたでしょうから、その部分を大事に表現していきたい」と意気込んでいる。

 メガホンを取るのはユダヤ人の父親を持つ、日本生まれの米国人、チェリン・グラック監督。その出自から「異邦人の描写は得意」と自信を持っている。「杉原ビザで助かった世界中にいる“杉原サバイバー”と子孫も、作品を喜んでくれるだろう」と監督。製作側は東欧や米国での公開も視野に入れている。

 ほかに、濱田岳(26)、塚本高史(32)、滝藤賢一(37)、小日向文世(60)らが共演し、唐沢の熱演を盛り上げる。

 ▽杉原 千畝(1900―1986年)岐阜県生まれ。19年、大学を中退し外務省の留学生として満州でロシア語を学ぶ。24年に外務省に入り、満州、リトアニア、ドイツなどの日本領事館に勤務。語学力を駆使して各国に諜報網を張り、世界情勢を正確に分析して政府に発信。この情報を生かしていれば、日本が第2次世界大戦の戦端を開くことはなかったと言われる。47年に外務省退職。その後は貿易会社などに勤務した。ユダヤ人を救った功績から、イスラエルから勲章を受けている。

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