米倉涼子、実はナイーブ…「自信ない」けど私、失敗しないので

[ 2014年10月14日 12:55 ]

笑顔で美脚を披露する米倉涼子

 米倉涼子の大門未知子か、大門未知子の米倉か――。テレビ朝日のドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(木曜後9・00)で三たび、当たり役を演じている女優・米倉涼子(39)。「私、失敗しないので」と言い切る強気な役どころは地で行くように見えるが、意外にも本人は「自信がない」と言う。長年近くにいる人たちの証言も交え、米倉涼子を“解剖”する。

 「私自身が見ていて格好いいと思えるし、未知子は私にとっても英雄です」。権威にも組織にも屈しない一匹狼の外科医役。手術の腕に絶対の自信を持ち、納得できないことは「いたしません」ときっぱり断る役どころについて、米倉はこう語る。視聴者に支持されるのは米倉のイメージと重なりリアリティーがあるからだが「失敗しないと言えるのは凄いこと。私はそんなに自信がない」。

 押しも押されもせぬトップ女優の意外な一面。「ドクターX」のゼネラルプロデューサーを務めるテレビ朝日の内山聖子(さとこ)さん(49)は「実はもの凄く小心者」と明かす。芸能界で22年のキャリアがあるにもかかわらず、「共演者との顔合わせや会見に出る前などに、緊張して震えているところを今でも見ますよ。よく不安そうにしています」。

 米倉との出会いは04年のドラマ「松本清張 黒革の手帖」。プロデューサーとしてあいさつに訪れた初対面の場で「女性のプロデューサーは苦手」と言われたという。「随分生意気なことを言う人だなと思ったけど、そのときの悪女の役柄にぴったりだった。後で聞いたら、学生時代に女子に意地悪をされたことがあったみたいで、女性のプロデューサーが怖かったんでしょう。その裏返しで強く出たみたい」と笑う。「大胆そうに見えるけどナイーブなところがある。繊細さと大胆さを持ち合わせていて、それが彼女を強くしているし、良いところでもあると思うんです」

 未知子や「黒革の手帖」の悪女などのはまり役と、さばけた人柄から世間のイメージは「姉御肌」「豪快」。だが、米倉は自身を「悪女…ではないと思うな。姉御肌でもない。相談もされないし、あんまり同業者の女の子たちとも会ったりしないんですよ。米倉会?ない、ない」と笑いながら説明。「ドクターX」は北大路欣也(71)ら大御所の共演者が多く、「同年代より先輩たちとの現場が 楽しい」。

 内山さんも「ベテランといると居心地が良さそう」と話す。04年以降、毎年ドラマでコンビを組んできた内山さんのことを「さとピー」と慕う素顔は「姉御肌というより、甘えっ子ですよ」。

 未知子は米倉を想定して生み出されたキャラクター。米倉は役柄との共通点を「思ったら顔や言葉に出ちゃうところは似ているかも。人がグッとこらえるような言葉が出ちゃってる、みたいなところ」と分析。また、仕事ではクールな未知子も、所属する「神原名医紹介所」の所長(岸部一徳)らとは麻雀を楽しんだりおちゃめな一面を見せる場面があり、「楽しみ方も彼女と似ていると思う。“この人とだったらはじけてもOK”っていう目線が似てるのかな」。

 心を許せる人をしっかりと見分けているようで、内山さんも「人見知り」と指摘。「人をよく見ていて、ただ調子がいいだけの人とか、自己保身でうそをつく人とか、すぐに見抜くんですよ。それが本当によく当たっているんです」

 周囲をよく観察し人間関係に敏感だからこそ、収録現場でも人一倍気を使う。共演の西田敏行(66)を「トシちゃん」と呼んでハグするなど明るくフレンドリーに振る舞い盛り上げているといい、「顔色が悪い共演者がいたらさりげなく話を聞いてあげたり、本当はプロデューサーがやらなきゃいけないことをやってくれている。気遣いの人です」と感謝した。

 01年から米倉を担当している所属事務所の男性マネジャーも「内々のメンバーで食事に行っても、率先して注文を取ったり、料理を取り分けたり、細やかな気遣いをしてくれます」と証言。「世間で思われているイメージよりも女性的です」

 セリフは難解な医療用語だらけ。米倉はその練習方法を「車の中が一番はかどる気がするけど、あんまり考えてない」と事もなげに言うが、マネジャーは「朝から晩まで撮影で疲れているはずなのに、移動の車の中ではほとんど寝ずに、ブツブツとセリフを言ったり何度も台本を読んでいますよ」と明かした。

 わずか数秒のダンスシーンでも「練習時間を欲しい」と2、3日練習したり、数行のフランス語のセリフでも何回もレッスンに通うなどド根性エピソードは数多くあるそうで「ちょっとしたところでも違和感を感じさせないよう完璧にするストイックなタイプです」。

 12年の米ブロードウェーミュージカル「シカゴ」への出演は、英語やダンスの壮絶な特訓の末に実現した。当時米倉が「この苦労は誰にも伝わらない」と漏らしたといい、「僕の中で一番の名言です。根性が凄い」と舌を巻く。内山さんも「表では平然としているけど、裏で信じられないくらい努力する。未知子と重なる部分で、“失敗しない”と言えるだけの枷(かせ)を自ら背負うんです」と語った。

 手術場面など細部にもこだわり制作している「ドクターX」は、本職の医師からも好評を得ている。米倉は「病院に検診に行った時、(聴診器で)おなかをポンポンされながら“見てますから”って。楽しみにしてくれているみたい」と心底うれしそう。今シリーズを最後に続編は作らないと公言しているが「大門未知子とお別れするのは寂しいから、しばらくするとまたやりたいなと思うかもしれない。本当に演じていて楽しいんですよ」。女優人生で代表作になったのは間違いない。

 8月に30代最後の誕生日を迎えた。同じく30代未婚の記者は「結婚しないの?」と聞かれるつらさを知っていながら、仕事柄、聞かずには済まないので最後にぶつけてみた。すると「それ、みんな聞くのね。むしろ最初に“結婚はいたしません”って言ってから始めたい。できてないからしてないのに、傷口に塩を塗るようなことはしないで」とふくれっ面をして見せてから、「いたしたいです」とポツリ。そして「相手は楽しい人がいい…いや、誰でもいい!」と笑い飛ばした。ストレートで繊細。その絶妙なバランスが魅力と感じた。

 ◆米倉 涼子(よねくら・りょうこ)1975年(昭50)8月1日、神奈川県出身。92年の全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。ファッション誌「CanCam」の専属モデルなどを経て、00年にTBSのドラマ「恋の神様」で女優デビュー。特技は15年間続けたクラシックバレエ。1メートル68。血液型B。

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