モントリオールが歓迎!吉永小百合のために特別レッドカーペット

[ 2014年8月31日 05:30 ]

モントリオール映画祭で、レッドカーペットを歩く吉永小百合と阿部寛

 吉永小百合(69)が企画・主演した映画「ふしぎな岬の物語」(監督成島出、10月11日公開)が29日夜(日本時間30日朝)、第38回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門で上映された。日本を代表する女優の参加に、映画祭側も通常は行わないレッドカーペット・セレモニーの“おもてなし”で異例の歓迎。白の和服姿で出席した吉永も「メルシー(ありがとう)!」と声を弾ませた。

 1913年にオープンした歴史ある劇場「インペリアルシネマ」で午後7時から行われた公式上映には、定員いっぱいの1000人の観客が詰め掛けて熱気ムンムン。エンドロールが流れ始めると拍手が湧き起こり、吉永も「反応が良かった。温かく受け止めてくださった」と目元を潤ませた。

 海外の映画祭に参加するのは93年の「夢の女」、08年の「母べえ」、10年の「おとうと」(いずれもベルリン)に続き4度目で、モントリオールは初めて。開幕と閉幕セレモニー以外は使わないレッドカーペットが、映画祭プレジデントのセルジュ・ロジーク氏の直々の指示で特別に用意される歓迎を受けた。

 住民の7割がフランス語を公用語としているカナダのケベック州。吉永は出品が決まってから、専門学校に通って猛特訓。「ボンソワール ジュマペール・サユリ・ヨシナガ(こんばんは、吉永小百合です)」と流ちょうなフランス語であいさつし、地元民を感激させた。

 岬の先端の喫茶店に集う人々と女性店主(吉永)との心の交流を描いた作品。夫を亡くし、喪失感が癒えない女性の再生の物語でもある。上映前、共演の阿部寛(50)と近くのホテルで行った会見には、地元放送局をはじめ独伊などのマスコミ、さらにはモントリオール在住の日本人と約200人が参集。2人が姿を見せると歓声が上がった。

 吉永は会見では紫色の着物に身を包み、「原作を読んで、その優しさと温かさを映画にしたいと思い、初めて企画から参加しました。亡くなった人から今を生きる人への命のリレーがテーマ。温かみのある街、モントリオールで上映できてうれしく思います」とプロデューサーの顔で語った。注目の審査結果は1日夜(日本時間2日早朝)に発表される。

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