山田洋次監督 新藤監督を偲ぶ「真似できない、肉声の映画だった」

[ 2012年5月30日 17:52 ]

映画「東京家族」製作報告会見に登場した山田洋次監督

 映画監督の山田洋次監督(80)が30日、最新作「東京家族」(来年1月公開)製作報告会見に登場。29日に老衰のため亡くなった新藤兼人監督について触れ、先輩の死を悼んだ。

 訃報を聞いたばかりという山田監督は「今聞いたばかりでびっくりしているところです」と動揺を隠せない様子で、「僕自身がいい年ですから、新藤さんのような方が元気でいてくださることはとても大事なこと、ありがたいこと。黒沢明監督が亡くなった時も非常に辛かったのですが、僕が仰ぎ見るような先輩が亡くなることは本当に寂しい。僕にとっては本当に辛いこと」と語った。

 新藤監督とは「そんなに親しくしていたわけではない」としつつも、さまざまな会合などでは顔を合わせていたという。「近年はあまりお会いしていなかった。最後に会ったのは6、7年前」といい、「若い頃に、野村芳太郎監督が新藤さんの脚本で映画を撮ったことがあって、その頃に僕が野村監督の代わりに新藤さんと打ち合わせに行ったりしていた。その頃が一番親しかった。40年、50年昔の頃かな。打ち合わせをする時にまるで科学者、技術者のような態度でシナリオの話をするので驚いたことがある。独特な脚本、創作術をもっていらっしゃる方だった。新藤さん以外の人は真似ができないと思う」と思い出を振り返った。

 「新藤監督はよく地を這うようにして映画を作ったとおっしゃっていたが、本当に辛い思いをして映画を作っていた方。財政的にも苦労して作ってこられた方で、ヒットするとかまったく考えないで、見事な人だった。僕なんかには想像できないような、苦しい思いをたくさんしてきたんではないか。えらい監督だと思う」と故人を偲んだ。

 新藤監督の遺作となった「一枚のハガキ」を観賞したという山田監督。「新藤さんにしかできないような映画だった。僕らには想像つかないような、新藤監督の声が聞こえてくるような、肉声の映画というか、とても驚いた。あれを最後にするとおっしゃってたけど、もしももう1本だけ作りましょうってことになればと念じていた。それができなくなってしまったことが悲しい」と話した。

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