牛島和彦氏 ロッテ・朗希の“不調”分析 直球で押さず決め球フォーク、見透かされた一辺倒な配球

[ 2024年3月18日 05:30 ]

オープン戦   ロッテ3―5楽天 ( 2024年3月17日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>3回、帽子を飛ばされる佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテの佐々木朗希投手(22)が17日、楽天とのオープン戦に先発して4回6安打4失点、4四球。最速は158キロを記録したが球威、制球ともに本調子にはほど遠かった。ZOZOマリンに日本ハムを迎える開幕カードで31日の第3戦に先発する怪物右腕が、開幕前では最後の本拠地登板で不安を露呈。スポニチ本紙評論家の牛島和彦氏(62)が、2週間後の“本番”へ向けた課題などを語った。

 風が強くて集中力がそがれるマウンド。それを割り引いても佐々木らしい投球がまるでできていなかった。

 初回は無死二、三塁から3番・小郷。三振が欲しい場面だ。カウント1―2と追い込んだが、なかなか打ち取れない。6球目から3球続けてフォークで三振を取りにいったが最後は見逃されて四球。満塁のピンチを招いた。2回と4回の小深田もフルカウントから低めのフォークを見極められて、四球にしている。

 佐々木といえば速い直球で相手を圧倒し、追い込んでからも直球で空振りを取れる投手。そこに凄いフォークとスライダーもあるから打者は対応できない。だがこの日は直球で押す気配はまるでなく、三振を取るのはフォークというワンパターン。それが楽天打線にも見透かされていた。

 4回に茂木を迎えた場面。フルカウントから投げた直球はシュート回転して真ん中に入る甘い直球。危ない球だったが茂木は見逃して三振に倒れた。佐々木も不思議そうに首をひねっていたが、おそらく茂木は投球パターンを読み、フォークで三振を取りにくると判断していたのだろう。

 今春の投球を見ていると直球は高めに浮き、右足に体重が乗った後にタメがほどけるのが早いため、シュート回転するケースも多い。それもあって三振を狙う際はフォークを選択しているのだろうが、それは少し違う。最大の売りである最速165キロの速球で押すイメージを打者に植え付けないともったいない。それでこそ変化球も生きるし、簡単に打ち取れる。

 この日の球数は4回で88球。多いことは多いが、もう少し“直球で押しますよ”と打者に意識させるだけで、もっと落ちる球で空振りが取れたり、楽にアウトが取れるようになる。そうすればおのずと球数も減ってくる。少し発想を変えれば、流れは変わると思う。(スポニチ本紙評論家)

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