選抜高校野球開幕 被災の石川県勢が行進、日本航空石川、星稜ナインに万雷の拍手 被災者へ黙祷捧げる

[ 2024年3月18日 09:11 ]

<センバツ 開会式>入場行進をする星陵ナイン(右)と日本航空石川ナイン(撮影・平嶋 理子)
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 第96回選抜高校野球大会が18日、甲子園球場で開幕した。

 今年は1924年の第1回大会から節目の100年。午前9時から始まった開会式では、あいみょん「愛の花」にのって、前年優勝の山梨学院を先頭に出場32校が入場した。今年元日の能登半島地震で被災した日本航空石川や星稜の石川県勢が堂々の行進。スタンドからは万雷の拍手が起きた。

 また、入場行進を終えた後、黙祷を捧げた。

 開幕戦は八戸学院光星(青森)─関東第一(東京)、第2試合は田辺(和歌山)─星稜(石川)、第3試合は近江(滋賀)─熊本国府(熊本)が行われる。

 日本航空石川は輪島市にある学校が甚大な被害を受け、年明けの全体練習開始が1月19日までずれ込んだ。これまで山梨県にある系列校や徳島県で生活を送ってきた。

 慣れない共同生活の中、部員32人で1月の出場校発表日を迎えた。出場決定後はオンライン画面を通じて能登キャンパスにいるヘルメット姿の青木洋介校長からエールをもらった。多くの選手が涙した様子を見た中村監督は「やっぱり我慢していたんだろうなと思います」と心労を思いやった。発表日は全67人の部員が一堂にそろわななかったが、夢だった甲子園出場という希望の光が差し込んだ。

 輪島市内の祖母宅で被災した福森誠也(3年)は発表の瞬間に地震のことを思い出したという。「なぜだかわからない。頑張っている姿で被災地の方が何かを思ってくれればと思う」。同市内の自宅が被害を受けた石川智規(2年)は「苦しいことがあったが、野球ができることに感謝したい」とうなずいた。

 関西入りまでは避難先の山梨などで練習を積み、各地での支援を支えに調整遅れを取り戻した。練習試合解禁以降、直近では近大付、箕面学園(ともに大阪)と対戦して2戦2勝。中村隆監督は「仕上がりを合格点ギリギリまでは持ってこられた」と手ごたえ。調整遅れを取り戻しつつあり、大会第6日の第1試合で常総学院(茨城)と対戦する。

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