槙原寛己氏 増えた侍J“攻撃の選択肢”力でも強豪国を圧倒 課題は野手陣の底上げ「打てる捕手」台頭を

[ 2023年3月24日 05:06 ]

侍ジャパン・村上宗隆
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 【槙原寛己氏が見た侍ジャパンと今後 野手編】WBCで準決勝、決勝を米マイアミで現地観戦したスポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(59)が、3年後の26年に開催される第6回大会で連覇を狙う侍ジャパンについて、今後に向けた展望や課題を語った。

 今大会、うれしかったのは打撃陣がスモールベースボールを脱却し、力勝負で強豪国をねじ伏せてくれたことだ。WBCのたびに、ボールが飛ばない、といわれてきたが、決勝の村上や岡本和のホームランを見たら、ボールがどうこうは関係ない。米国の強打者よりも飛んでいたぐらいだ。

 準決勝・メキシコ戦の9回無死一、二塁。いつもならバントで送る場面で村上に打たせてサヨナラ勝ちした。これまでは相手にアウトを1つあげて1点ずつ積み重ねる野球しかできなかったが、今大会は1番から9番まで右打ちなど状況に応じた打撃ができる選手をそろえられたことで“攻撃の選択肢”が増えた。日替わりヒーローの出現は、どこからでも点が取れることの証明でもある。

 ただ、世代交代が急速に進んだ投手陣に比べ、野手陣は少し層の薄さを感じた。3年後に向けて補強したいポイントは捕手、遊撃手、外野手の3点だ。捕手は打てる人材が欲しい。準決勝から中村を起用。決勝では2回1死一、二塁から四球を選び満塁。貴重な追加点に貢献した。甲斐は守備はいいが、打撃は力不足。中村も3年後は35歳。若い打撃のいい捕手の台頭が望まれる。遊撃手も源田頼みでは先々心もとない。外野手は鈴木誠也を加えたとしても頭数が足りていない。3年間、若手の成長を待ちたい。

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2023年3月24日のニュース