広島・栗林は謙遜しすぎ!? ダルさん大谷さんに「聞きたいことはあるけど…」 新春インタビュー(2)

[ 2023年1月3日 05:01 ]

優勝にセーブ王と今年の目標に「王」と書いた栗林(撮影・奥 調)
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(1)から続く。

 ――WBCで印象に残っている場面は。

 「結構、覚えていますよ。イチローさんのセンター前への決勝打(※3)、「生き返れ、福留」という実況から本塁打を打った場面(※4)。内川さんがスライディングキャッチして二塁で刺したところ(※5)とか」

 ――ダルビッシュや大谷に聞いてみたいことは。

 「コミュニケーションを取れるタイプではないので…(笑い)。聞いてみたいことはいっぱいありますけど、自分なんかが聞いていいのかな…」

 ――東京五輪の守護神ですよ。謙遜しすぎです。

 「五輪の時はたまたまで、他にも良い投手はたくさんいる。ダルビッシュさんや大谷さんに代わって僕が登板したら、相手は喜ぶと思う。迷惑をかけないようにしないと…」

 ――昨年12月のサッカーW杯で代表戦の盛り上がりを体感した。

 「ダルビッシュさん、大谷翔平さん、誠也さんのおかげで、注目も高まると思う。日本で予選ができるのは一つのアドバンテージになりそうですし、日本で行われる予選は必ず勝たないといけない」

 ――無観客だった東京五輪とは異なる雰囲気になりそうだ。

 「かなり違うでしょうね。五輪の時は緊張したけど、無観客だからか、プロ初登板の方が緊張したなという感覚だった。レベルの違う重圧、緊張感になるのかなと思います」

 ――東京五輪を経験できたのは大きい。

 「金メダルを獲らないといけない重圧や責任感の中で結果を出せたことは良かったです。金メダルを獲れた時は、うれしいよりも勝てて良かった…という安心感の方が大きかった。今回はどこの国も“ガチ”。安堵(あんど)よりも、うれしい気持ちが強くなりそうです」

 ――昨秋キャンプでは左足を高く上げる新フォームに挑戦した。進捗(しんちょく)は?

 「正直、足を高く上げるフォームは無理なのかなと思う。キャンプでも全然しっくりこなかったし、球が暴れる印象だった。前のフォームと球威が変わるわけでもないので」

 ――1年目は左足を高く上げていたが、昨季途中からクイック気味に変更した。

 「足を高く上げ始めたのは大学の時。一瞬止まるぐらいの気持ちでゆっくり上げていた。(プロ入り前に)ボークを取られたり、昨春キャンプの時に審判の方に静止しているかも…と言われたりして修正するうちに、徐々にズレていったのかなと思っています」

 ――1月はマツダスタジアムで森浦と2人での合同練習に臨む。

 「森浦もマツダでやると言っていたので、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)してやろうと思った。1月の練習がすごく大事だということは、(春先に調子の上がらなかった)昨年の経験で分かっている。2月のキャンプインまでに、しっかりとした球を投げられるところまでいかないといけない。少し早めに休みを取ったり、逆算しながらやろうと思っています」

 ――同期入団の森浦とは1年目から切磋琢磨(せっさたくま)してきた。

 「僕の登板前に森浦が抑えたら、自分も抑えたいと思える。マウンドに行く時に“頑張ってください”とか言われると、先に終わっていいな…とか思いますけど(笑い)。森浦の頑張りが刺激になりますし、打たれたら自分のことのように悔しい。2軍に落ちた時は自分のことのように悲しかった。そういう強い思いはあります」

 ――今季目標は38セーブ。チームとの兼ね合いがあるセーブ数を目標にした理由は。

 「昨年、セーブがつく展開で投げられないことが1度あった(※6)。その試合から巨人に3連敗。もし自分で抑えていれば、巨人に3連勝できていたかもしれない。自分でセーブシチュエーションを失うのはダメだと思った。まずは、そこ(38セーブ)に向かって、目標を高く持ちたいと思います」

 (※3)第2回大会(09年)の決勝・韓国戦で同点の延長10回にイチローが中前へ勝ち越し打。

 (※4)第1回大会(06年)準決勝・韓国戦の7回1死二塁で代打・福留が先制2ラン。

 (※5)第2回大会の決勝・韓国戦で同点の5回に内川が左翼線の打球をスライディング捕球し、好返球で二進を阻止。

 (※6)昨年5月17日の巨人10回戦をコンディション不良で登板回避。9回を2―0で迎えるも登板できず、その後、チームはサヨナラ負け。

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2023年1月3日のニュース