【22年ドラフト下位指名】巨人育成1位 松井颯 体重も球速もアップで第2の千賀に

[ 2023年1月3日 05:00 ]

水野スカウト部長(右)とグータッチをする明星大・松井

 育成の星になる!巨人の育成1位指名を受けた明星大の最速154キロ右腕、松井颯(はやて)投手(22)が、育成からはい上がることを誓った。花咲徳栄ではエースになれず、大学進学後も首都大学リーグ2部で奮闘してきた男。同じ育成出身でソフトバンクから海外FA権を行使し、メッツに移籍した千賀滉大投手(29)を目標に掲げた。

 大学で急成長を遂げた最速154キロ右腕が、プロの世界に挑戦する。松井は「だんだんと実感が湧いてきて、早いうちに1軍で投げられるように頑張っていこうという気持ちになりました」と表情を引き締めた。

 花咲徳栄の2学年先輩の高橋昂也が、ドラフト2位で広島入り。1学年上の世代は夏の甲子園で埼玉県勢として初優勝を果たし、リリーフエースの清水達也はドラフト4位で中日に入団した。自身は最上級生になっても「実力でいったら4番手、5番手くらい」という立ち位置。夏の甲子園では横浜戦(2回戦)の9回に3番手で1イニングに投げたのみだったが、屈辱を成長につなげた。先輩の高橋や清水と自身の力を客観的に比較。大学ではしっかりと体づくりに励んだ。その結果、体重が72キロから83キロに増量。高校時代は141キロだった直球の最速も154キロと力強さを増した。

 大学では物理学を専攻。卒論では投球動画をコマ送りにして、球の回転数や回転軸について研究するなど、グラウンド外でも野球に生かすための努力を惜しまない。現在、直球の1分間の平均回転数は約2400回だが「常時2500~2600いけたら凄いピッチャーだと思う。160キロも投げたいですし、空振りの取れる真っすぐを目指していきたい」と青写真を描いている。

 同じ育成出身のソフトバンク・千賀が海外FA権を行使し、メッツと5年総額7500万ドル(約98億円)の超大型契約を締結した。松井にとっては憧れの存在。「強気な投球、ピンチになっても動じない姿は参考にしています。やっぱり育成から上がって先発で活躍しているので、目標にしていきたい」と言葉に力を込めた。

 ◇松井 颯(まつい・はやて)2000年(平12)9月14日生まれ、東京都清瀬市出身の22歳。小2で野球を始め、中学時代は清瀬ポニーズでプレー。埼玉・花咲徳栄では3年夏の甲子園に出場も2回戦敗退。明星大では1年秋からベンチ入りし、首都大学リーグ2部で通算20試合に登板した。1メートル78、83キロ。右投げ右打ち。

 ≪直球150キロ超≫花咲徳栄時代は直球の平均が130キロ台中盤だった松井は「プロなんて絶対無理」とプロ入りを諦めていた。だが、進学した明星大で一気に才能は開花。150キロ超の直球を武器に2部リーグからドラフト指名を勝ち取った。同じ花咲徳栄出身で東北福祉大の1年生投手・堀越啓太はこの冬、練習で162キロを計測。昨年のドラフトでは無念の指名漏れを経験したが、高校時代から15キロの球速アップを果たした。これには松井もツイッターで「後輩がエグすぎる」とコメント。高校では歴代最長となる8年連続ドラフト指名となっている花咲徳栄。進学した選手も伸びしろたっぷりだ。

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