広島・栗林は「王」になる セーブ王、日本一、そして…夢いっぱい語り初め 新春インタビュー(1)

[ 2023年1月3日 05:00 ]

優勝にセーブ王と今年の目標に「王」と書いた栗林。右手にはルーキー時代に書いた「戦」の写真を手にする(撮影・奥 調)
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 広島・栗林良吏投手(26)が本紙の単独インタビューに応じた。新年の誓いとして立てたのは「王者」になること。今年は、セーブ王、日本一、そして侍ジャパンに選出されれば、3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一を目指す一年となる。頂点を目指して挑戦した書き初めでは、新年の目標を漢字一字で「王」と力強くしたためた。(取材・構成=河合 洋介)

 ――明けましておめでとうございます。挑戦してもらった書き初めでは、新年の目標を漢字一字で「王」と書いた。その思いは?

 「王様の王です。個人としてはセーブ王を獲りたいですし、リーグ優勝、日本一というチャンピオンにもなりたいという意味も込めました」

 ――以前も本紙の企画で書き初めをした。

 「覚えています。1年目が始まる正月に書きましたよね」

 ――その時に、将来の目標を漢字一字で「愛」と書いていた。

 「懐かしい!愛される選手になりたいという意味で書きました」

 ――その目標には近づいている?

 「自分では分からないですけど、愛される選手を目指すという目標は変わっていない。黒田さんの引退セレモニー(※1)を見て、僕もああいう形で引退できる選手になりたいと思った。黒田さんが来年から球団アドバイザーに就任されるので、そういう(長く現役生活を送るための)話も聞いてみたいです」

 ――侍ジャパンに選出されれば、世界“王”者を目指す一年にもなる。

 「これまで言葉を濁してきましたけど、本音を話せば、選ばれたいと思っています。世界一を経験したい。メジャーリーガーと対戦したり、米国の雰囲気の中で投げてみたい気持ちもある。だけど不安だし怖い。五輪の時も自分が投げない方が勝てるのではないか…と思っていました」

 ――東京五輪では抑えとして金メダルを獲得した。

 「東京五輪の金メダルの瞬間は忘れられません。今回のWBCには、たくさんメジャーリーガーが出るし、日本でもダルビッシュさんや(鈴木)誠也さん、大谷翔平さんが出場する。日本を代表する選手が参加するので、国内の注目度も高いと思う。楽しみです」

 ――大学日本代表に選出時に外国人対策としてカーブを習得。実際に東京五輪では有効だったのか。

 「カーブは国際大会で有効だと思う。だけど(昨年10月に)マツダに来た誠也さんから“大リーグでカーブを投げる投手が増えてきているからカーブが通用した五輪とは反応が違うかもしれない”と聞いた。五輪ではカーブを見逃してくれたり、打ち損じてくれた。だからといって今回もカーブを簡単に選択していくのは、違うのかなと思っています」

 ――WBC使用球で投球練習をしていないのは、なぜか。

 「NPB球より重い感覚があって、肘に負担がかかるなと感じた。だから(WBC球での練習は)しっかりと体をつくってからでもいいかなと思っている。(WBCに向けて)逆算して調整するというよりか、選ばれたらしっかりと結果を出せるような準備をしていきたいなと思います」

 ――シーズンの目標も聞かせてほしい。

 「永川さんの球団記録を超える38セーブ以上(※2)を挙げたい。そしてセーブ状況で失敗することなく、リーグ優勝と日本一に貢献したいです」

 (※1)黒田博樹の引退セレモニーは、16年11月5日にマツダスタジアムで行われた優勝報告会の中で実施。3万810人の観衆が集まり、黒田はマウンド前で膝をついて涙を流した。

 (※2)球団のシーズン最多記録は、08年永川勝浩(現2軍投手コーチ)の38セーブ。

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2023年1月3日のニュース