阪神ドラ1・森下 新人王へ甲子園10発目指す 球団新人では69年田淵だけ「名を刻めるような選手に」

[ 2023年1月3日 05:15 ]

青空の下で豪快に素振りをする森下(撮影・光山 貴大)
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 阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22=中大)が2日、1年目の目標の一つに本拠地・甲子園球場での2桁本塁打を掲げた。故郷・神奈川県横浜市内で近隣の野球少年少女から通称「こども甲子園」で親しまれる思い出の場所で自主トレを公開。ドラフト制以降の球団新人打者では69年田淵幸一(12本)しか到達していない領域を道しるべとし、新人王へ突き進む決意を示した。 

 森下はサクセスロードを明確に思い描いた。始動場所に選んだ横浜市の「西洗第一公園」は地元の少年少女から「こども甲子園」と呼ばれる“聖地”だという。少年野球時代に本塁打を放った原点のグラウンドで思い出に浸り、決意を新たにした。

 「新人王は自分の中で目標にしている。獲るためにも(甲子園での)2桁ホームランをしっかり目指して、頑張りたい」

 既に1年目の目標には「打率3割、25本塁打」を設定。21年佐藤輝が残した球団新人最多24本塁打を再び更新するには本拠地での量産が欠かせない。身長1メートル82、体重90キロという堂々の体格。右打者には浜風が“追い風”でも過剰な意識を排した。4試合で単打4本の打率・267で終わった東海大相模3年春の選抜の記憶が残るのか。「センターから逆(への長打)が持ち味。引っ張りに行き過ぎずに。結果、引っ張ってホームランという形ぐらいの意識」と心構えを明かした。

 「正直想像はできていないけど、一つの目標として2桁を掲げている。自分でもできると思って言ったし、そこに向けて努力していきたい。甲子園の歴史に名を刻めるような選手になりたい」

 21年の佐藤輝でも甲子園では8発止まり。1年目から2桁に乗せたのはドラフト制以降では69年に12発を放った田淵幸一しかいない。難関だからこそ挑みがいもある。

 「プロ野球の世界に入るのが初めてで何も分かっていない。どんなピッチャーがいるのかもテレビでしか見ていない。早く経験するしかない」

 小中学校時代の同級生とランニングやキャッチボールで約2時間の調整。ドラフト会議後は順調に練習を消化し、「新人合同自主トレまでは準備期間。焦らずに準備している」と足もとも見つめた。「まずは1軍でスタメンを勝ち取って、試合に出ないと始まらない。そこがまず一つの目標。試合に出てから新人王、その先に日本代表、3冠王という目標も明確にある。順番に追って頑張りたい」。猛虎の新しい背番号1の継承者として大志を胸に抱いた。(石崎 祥平)

 ◇森下 翔太(もりした・しょうた)2000年(平12)8月14日生まれ、神奈川県横浜市出身の22歳。小1で野球を始め、日限山中では「戸塚シニア」でプレー。東海大相模(神奈川)では1年夏から中堅手としてベンチ入りし、3年春に選抜出場。高校通算57本塁打。中大では1年春、4年春にベストナイン。東都リーグ通算78試合、打率・240、9本塁打、36打点。1メートル82、90キロ。右投げ右打ち。

 ≪近年の阪神ドラ1新人自主トレ公開≫

 ★13年藤浪晋太郎 1月4日、母校の大阪桐蔭でランニング、キャッチボールやブルペン投球など約5時間半。「自分を磨く年にしたい」。

 ★17年大山悠輔 1月3日、母校のつくば秀英でティー打撃など約3時間。「厳しいボールにくらいついて結果を出す。泥臭くやっていきたい」。

 ★19年近本光司 1月7日、大阪ガスで調整。翌日からの新人合同自主トレを前に「一日一日が勝負、自分がやりたいことを大切にしていきたい」。

 ★21年佐藤輝明 1月4日、母校の仁川学院で約2時間、キャッチボールやティー打撃。新年の思いを「挑」の一文字に込め「チャレンジ精神を持ってやっていきたい」。

 ★22年森木大智 1月3日、地元の高知県土佐市内で1時間半の軽めメニュー。「とら年ですし、タイガースですし、この1年はやっちゃいたいなと思います」。

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2023年1月3日のニュース