斎藤佑樹氏 早大時代の恩師・応武篤良監督への思い語り涙「いい報告をしながらお酒を飲みたかった」

[ 2022年12月11日 22:19 ]

斎藤佑樹氏
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 昨季限りで現役を引退したプロ野球元日本ハム投手の斎藤佑樹氏(34)が11日放送のBSTBS「野球伝来150年特番 斎藤佑樹 野球の未来へ~原点回帰の旅」(後9・00)に出演。早大時代の監督の恩師・応武篤良氏との秘話を明かした。

 斎藤氏は応武氏について「あの見た目通りですごく怖かった」と笑みを浮かべた。怖い理由はほかにもあった。それは「腹の内が見えないというか、何を考えているかわからないという印象でした」と語った。

 また、斎藤氏は、20歳の誕生日を迎えた日に応武氏から「斎藤、今日飲みに行くぞ」と誘われた出来事を振り返り始めた。銀座で「人生で初めて」のビールを飲んだ斎藤氏は「苦い。あんまりおいしくない」としながらも「監督との話がすっごく楽しくて。帰る頃には僕も監督も結構酔っぱらってて」とタクシーで寮まで帰った。その車内で応武氏から「斎藤、絶対この4年間で、お前が早稲田に来たことを良かったって絶対言わせるから頑張ろうな」と伝えられたという。

 その後も斎藤氏は順調に成績を残してメディアから変わらず注目を集めた。その中で応武氏は試合後の会見などをたびたび拒否するなど斎藤氏ら選手たちを守った。斎藤氏は「ある時、応武監督と僕とメディアの方たちと話すことがあって」とし、メディアから応武氏に「監督、あれだけ批判されてつらくないですか?」という質問が飛んだ。

 これに応武氏は「俺なんか全然つらくない。俺が悪者になって斎藤たちを守れて、4年間彼らが気持ちよくプレー出来れば、それは監督として大正解」と答えた。この発言に斎藤氏は「自分が悪者になっても僕らを守ろうとしてくれる感じが、改めて言葉で聞けてうれしかった」と胸打たれた。

 また、斎藤氏がプロに入る前には「絶対お前は成功できる。ただ、もし成功できなくても、早稲田4年間を卒業した、選んだことを絶対に後悔させない。俺が引退した後も、野球界、人生において大成功できるように準備しておくから。だからこのプロ野球選手はとにかく野球に打ち込みなさい。頑張れ」と背中を押されたことも明かした。

 今年9月7日に応武氏は心不全のため死去。斎藤氏は涙を溜めながら「やっぱり一つ心残りがあるとすれば、活躍している姿を見せられなかったというのが悔しい」と心残りを明かした。続けて「僕も福井も大石も、3人して活躍して、シーズンが終わって。で、応武監督と一緒にいい報告をしながらお酒を飲みたかった」と涙があふれた。

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2022年12月11日のニュース