栗山ジャパン 世界一への鍵は「団結力」と「長打力」 元侍監督の山本氏&小久保氏が金言

[ 2022年12月11日 05:28 ]

ベンチ前で話す山本氏(左)と小久保氏
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 かつての指揮官が金言を授けた。日本プロ野球名球会は10日、「沖縄本土復帰50周年記念」のオールスター戦を沖縄セルラースタジアム那覇で開催。4069人のファンが集まった。出場者で13年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンを率いた山本浩二氏(76)、17年監督の小久保裕紀氏(51)が、来年3月の同大会で栗山英樹監督(61)率いるチームに助言。ともに準決勝で敗退しており、悲願の世界一奪回を託す。

 世界一へ必勝の策はない。しかし栄光を手にするための道は、必ず存在する。山本氏が強調したのは「チームのまとまり」だった。

 「みんな力を持った選手ばかり。後はいかに一つにまとまるか、(指揮官が)まとめるか。勝負は、勝つために一つにならなきゃいけない時がある」

 山本氏が監督を務めた13年WBC。3連覇を目指した侍ジャパンはサンフランシスコでの準決勝で敗れ、悔し涙にくれた。「米国に行って環境が変わって戸惑い、それでやられてしまった」。それでもチームをまとめるために粉骨砕身したのは忘れていない。「短い期間で勝ちたいという雰囲気でベンチが一つになれるか。私もコミュニケーションを取って一つになるために頑張った」と振り返る。

 同じく17年WBCの準決勝で米国に敗れた小久保氏は、東京ドームでの1次ラウンド、準々決勝の戦い方の重要性を説いた。「僕の時は機動力よりパワーを重視した。筒香や中田らが効果的な一発を放ってくれた」。外国人左腕のけん制球は独特で、ボークと見分けが付かないケースも多い。セットポジションでの静止の判定も外国人審判によってまちまちで、小久保氏は「盗塁は難しい」と判断。狭い東京ドームで長打力を最大限に活用し、勢いに乗って準決勝へ――、がシナリオだ。

 今大会は既にエンゼルス・大谷、パドレス・ダルビッシュ、カブス・鈴木の日本人大リーガー3人の出場が決定。13年は0人、17年は青木(当時アストロズ、現ヤクルト)1人だっただけに、両氏は「MLBの第一線で活躍している3人の存在は非常に大きい」と声をそろえる。ダルビッシュはまとめ役に最適。大谷、鈴木の長打力は東京ドームで生きるだろう。

 両氏の願いは、自身が成し遂げられなかった09年大会以来の世界一。山本氏は「来年は優勝できると思う」。小久保氏も「本気の米国を倒して世界一、いってもらいましょう!」と思いを託した。 (鈴木 勝巳)

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