シティライト岡山・加藤諒投手 勝負の2年目へ同期の「ドラ1」に負けない活躍を

[ 2022年12月9日 17:27 ]

23年は飛躍の一年にしたいシティライト岡山・加藤
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 不完全燃焼に終わった悔しさを糧に、23年を飛躍の1年にする。社会人野球・シティライト岡山の加藤諒投手(23)は、逆襲の2年目に向け高い目標を掲げた。

 「1年目は故障で出遅れた感じがあった。でも、プロには絶対に行きたいと思っている。そのためにも、来年は結果を残していかないといけない」

 最速148キロ右腕は今シーズン最後の公式戦で、高い潜在能力の一端を示した。5チームが参加した10月の岡山県社会人野球選手権大会。15日の初戦・三菱自動車倉敷オーシャンズ戦で5―7の7回から登板した。

 「真っすぐの質がだいぶ良くて、打者を差し込める感じがあった」

 6回まで毎回の12安打と勢いづいていた打線を相手に、3イニングを1安打無失点。9回の逆転サヨナラ勝利を呼び込み、翌日の優勝につなげた。

 将来を有望視されながら、故障に泣かされてきた。智弁和歌山では2015年夏の甲子園でチームの1年生で唯一のベンチ入りを果たし、中継ぎでマウンドも経験。だが、2年夏に右肘の遊離軟骨除去手術を受けた。3年夏の甲子園でエースナンバーを背負ったのは、のちに21年ドラフト1位で広島入りする黒原拓未。加藤の出場も投手ではなく打者としてで、2回戦・大阪桐蔭戦での代打1打席に終わったが、なんとか試合に出してやりたいという高嶋仁監督の親心は十分に感じ取っていた。

 関西国際大へ進学後は右肩痛を発症。痛みが出ない投げ方を模索し、スリークオーターからオーバースローに変えた。同期の翁田大勢投手は21年ドラフト1位で巨人入りし、37セーブを挙げて22年のセ・リーグ新人王に輝いた。

 「野球を抜きにしても仲が良かったし、すごいなあ、と思って見ていた。自分も頑張るぞという気持ちになる」

 シティライトでは中古車のオークション会場で勤務。野球と仕事の両立に慣れるまでは体重を落とすこともあったが、肩や肘の不安がなくなった今は体重も戻り、下半身の筋力トレーニングに取り組んでレベルアップを図る。投球フォームも高校時代のスリークオーターに戻して勝負を懸ける。

 今は野球中心だが、小さい頃はサッカー少年だった時期があるという。日本時間で早朝4時キックオフだったW杯カタール大会1次リーグのスペイン戦もリアルタイムで視聴した。

 「朝から叫んでいましたね(笑い)。どれだけ相手が強くても、最後まであきらめずにプレーする気持ちが伝わってきました」

 チームが初出場した2019年以来、都市対抗と日本選手権の2大ドーム大会からは遠ざかる。強豪そろう混戦の中国地区を制し、2大大会出場というゴールに向かって、加藤はあきらめずに走り続ける。

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2022年12月9日のニュース