阪神・矢野監督 史上最大の下剋上へ「挑戦していきたい」 過去、勝率5割未満での日本一はなし

[ 2022年10月8日 05:15 ]

<「JERA クライマックスシリーズ セ」前日会見>会見する阪神・矢野監督

 8日に開幕する「2022 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」の共同記者会見が7日、横浜スタジアムで開かれ、出席した阪神の矢野燿大監督(53)は「挑戦していきたい」と決意を新たにした。68勝71敗4分けの勝率・489でリーグ3位となり、2位・DeNAとのファーストステージ(S)に参戦。過去、勝率5割未満で日本一に輝いたチームはなく、矢野阪神は「史上最大の下克上」に挑む。

 ここまでたどり着けば、後ろを振り返る必要はない。開幕9連敗のどん底を味わい、借金3を抱えながら、何とか手にしたCSファーストSの出場切符。過去に勝率5割未満の日本一チームがないならば、俺たちが歴史を塗り替えるまでだ。

 「この時間をみんながつくってくれた。俺は楽しみたいなと思っている。それが日本シリーズまで続くと信じて。そこに“絶対行くんだ!”という思いでまた、戦えるようにしてくれた」

 選手への感謝と、日本一への強い決意を言葉にした矢野監督。就任4年目の最終年は、山あり谷ありの激動のシーズンだった。勝率5割に満たなくても、最後はチーム一丸でつかみ取った日本一への「挑戦権」。選手代表の近本や、DeNA・三浦監督らとともに出席した前日会見でも、力強い声で全力を尽くすことを約束した。

 「本当にうまくいかない、苦しいシーズンでした。その中でも最後に粘りに粘り、このCSで、もう一回チャンスを選手たちがつくってくれました。僕はずっと理想と夢を語り、4年間やってきましたが、その戦いを選手たちが、このCSでも引き続き見せてくれると思います。僕も熱い思いを持って挑戦できることをうれしく思っています。3位からですけど、挑戦していきたい。僕自身もこの時間を味わいながら、楽しみながら精いっぱいやっていきます」

 ハードルが高いことは承知の上だ。過去に3位からCSを突破して日本一に輝いたのは10年のロッテだけ。勝率5割未満でCSに出場した7チームは、日本シリーズにも届かなかった。だからこそ挑戦しがいがある。8日の初戦先発・青柳を明言した指揮官は「(藤浪)晋太郎も(西)純矢も中に入れる」と、自慢の投手陣をフル稼働させる構え。野手のキーマンには「(会見場の)横にいるので近本と言いたいけど、中野も大事かなと。ウチは足を使えるチーム。中野が出た後の近本やクリーンアップが相手も嫌」と強調した。

 「投手力」と「機動力」は、就任1年目の19年から一貫して矢野タイガースを象徴する強力な武器。22年の猛虎が、「史上最大の下克上」という名のドラマを演じてみせる。(山添 晴治)

 【データ】勝率5割未満でCS進出(04~06年パ・プレーオフも含む)は、今季の阪神で延べ8チーム目。そのうち、借金3以上は13年広島(借金3)、18年巨人(借金4)に次ぎ3チーム目で、過去2チームはともにファーストSを突破したが阪神はどうか。

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