【イチロー氏に聞く】01年以来PO進出のマリナーズで期待を寄せた選手は 「雰囲気は天性のもの」

[ 2022年10月8日 05:00 ]

イチロー氏(AP)
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 マリナーズのOBで球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)が、01年以来となるチームのプレーオフ進出について語った。現在の北米4大スポーツ最長となる20年間、ポストシーズンから遠ざかっていたチームの進撃を熱望。けん引役として、自身の愛弟子で新人のフリオ・ロドリゲス外野手(21)に期待を寄せた。(聞き手・笹田幸嗣通信員)

――01年以来のプレーオフ進出。
 「僕にとっては1年目でしたが(プレーオフに)行くのが当たり前だと思っていました。翌年、翌々年(02、03年)も93勝。(その2年は)届きませんでしたが、プレーオフのイメージはいつもできていた。まさかそこから、最もプレーオフから遠ざかるチームになるなんて想像すらできませんでした」

 ――既に選手としては引退しているが、関わっているチームがプレーオフに進む。
 「もちろん応援していますが、今は意図的にニュートラルに見ようとしている」

 ――22年のマリナーズの良さは。
 「いろいろなチームの話を聞きますが、どこも問題を抱えている印象です。今年のマリナーズはそれが極めて少なく、バランスの取れたチーム。フリオ(J・ロドリゲス)みたいな選手も出てきた。3年目くらいにチームを引っ張る存在に、というイメージでいましたが、今はすっかりその位置にいます」

 ――真面目な選手が多い印象。
 「そう思います。全体として(メンタル面の)ムラが少ないし確かに真面目です」

 ――J・ロドリゲスは、グリフィーをほうふつさせる明るい雰囲気を振りまいている。
 「あれは天性のものですね。努力だけでは得られないものを備えている」

 ――プレーオフで期待することは。
 「何が何でも勝たなきゃいけない状況はシーズンとは違う。僕らは(01年にレギュラーシーズン116勝と)勝ちすぎてしまい、どうしても勝たなきゃいけない試合がなかった。そういう意味で経験がなかったのが痛かった。(リーグ優勝決定シリーズでの)ヤンキースの壁は大きかった。21年ぶりのプレーオフで、その壁を打ち破ってもらいたい」

 ▼01年のマリナーズ 米1年目のイチローが首位打者、最多安打、盗塁王の活躍。ブレット・ブーン、エドガー・マルティネスらと強力打線を形成し、投手陣もフレディ・ガルシア、ジェイミー・モイヤーらの先発陣に、抑えは佐々木主浩と盤石で、ア・リーグ新記録でメジャータイ記録の116勝。地区シリーズではインディアンス(現ガーディアンズ)を3勝2敗で下したが、リーグ優勝決定シリーズでヤンキースに1勝4敗で敗れた。イチローはこの年、新人王とリーグMVPをダブル受賞した。

 ◆フリオ・ロドリゲス 2000年12月29日生まれ、ドミニカ共和国出身の21歳。17年7月にマリナーズと契約し、今季開幕戦でデビュー。球宴に選出され、本塁打競争では準優勝した。8月下旬には最大18年総額で4億7000万ドル(約681億5000万円)に及ぶ契約延長に合意。今季は132試合で打率.284、28本塁打、75打点、25盗塁。1メートル90、103キロ。右投げ右打ち。

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