鈴木啓示氏 甲子園の拍手と声援がある、幸せなチームでプレーすることに甘えていてはいけない

[ 2022年9月22日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神4―10広島 ( 2022年9月21日    甲子園 )

鈴木啓示氏
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 【鈴木啓示 視点】阪神のユニホームを着て、戦う選手は本当に幸せだ。5回に代打で登場した糸井への歓声、そして敗戦後の引退セレモニーでも起こった拍手。そして延長10回に登場した岩崎への拍手に、その思いを改めて強くした。もう秋なのに、平日にもかかわらず、4万2千を超える観衆の前で試合ができる。本当に恵まれている。

 その拍手と声援が岩崎に力を与えた。前日20日のDeNA戦は32球を投げ、3失点で逆転を許したばかり。ショックは尾を引いているはずだし、疲労もあったと思う。マウンドに上がりたくない、という気持ちもどこかにあったのは否定できない。だが、岩崎を出迎えたのはブーイングではなく、熱い応援だった。先頭の西川に右翼への大飛球を打たれたが、それでも3人で片付けた。

 だが、これだけ声援を受けながら、勝負どころで踏ん張れないのが情けない。幸せなチームでプレーすることに甘えていてはいけない。手痛い敗戦だ。もう残りは4試合。ここまで来たら、個人の成績より、チームが勝つことがすべてだ。非常に厳しい状況だが、可能性がある以上、勝利優先。それが、これだけの声援を受けて、戦う選手の義務だ。気持ちを切らせてはいけない。結果はどうあれ悔いなく戦った、という4試合にするしかない。(スポニチ本紙評論家)

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2022年9月22日のニュース