阪神・佐藤輝「嘉男さんありがとう」超人魂継承2点打 「兄貴のような存在」近大先輩にささげた

[ 2022年9月22日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4―10広島 ( 2022年9月21日    甲子園 )

<神・広>引退セレモニーで佐藤輝(左)から花束を受ける糸井 (撮影・奥 調)
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 胸いっぱいの感謝と、全身からあふれる尊敬の思いを込めてフルスイングした。阪神・佐藤輝が、初回に右前へ先制の2点適時打。近大の先輩である糸井の引退試合に花を添える快音で“超人魂”を継承して見せた。

 「絶好のチャンスでしたし、積極的に振り抜きました。いい結果になって良かったです。(糸井)嘉男さんありがとう」

 2死走者なしから3連続四球でつくった満塁の好機で勝負強さを発揮した。149キロの内角直球を振り抜いた痛烈な打球は二塁手・菊池涼のダイブも及ばず右翼へ。会心の2点適時打を放ち、糸井のいる一塁ベンチに喜びの視線を送った。

 大学の先輩、後輩だけでなく、規格外のパワーを誇る左のスラッガーという共通点もあって「兄貴のような存在」と慕ってきた糸井のラストゲーム。両目に施したアイブラックには白文字で「7」と入れ、超人に敬意を表した。この夜は右翼で先発。糸井のかつての定位置でもあるが、そのポジションを奪い取って背番号8の今がある。初回の守備では1死一、二塁でマクブルームの大飛球をジャンピングキャッチ。延長10回も西川のホームラン性の飛球をフェンスを背にして好捕。ベンチでは糸井も拍手を送る好守連発で魅せた。

 5回、代打で左前打を放った糸井の現役最終打席も、しっかりと目に焼き付けた。「ベンチから背中を見ていて、声援や球場の雰囲気とかからも凄い人だと感じた」。聖地で受け取った熱いスピリット。だからこそ、2打席目以降の凡退が悔しい。4回の第2打席はバットをへし折られ、延長10回1死一、二塁では見逃し三振。勝負を決する場面であと1本が出なかった。

 「しっかり(糸井さんに)成長した姿を見せられるように頑張りたいです」

 引退会見で超人伝説の後継者について聞かれた糸井からは「いやもう、輝に決まってるじゃないですか、ハッハッハ」と直々に指名された。託されたバトンを黄金の輝きに変えるべく、佐藤輝が新たな時代をつくる。(遠藤 礼)

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