開幕ローテ争いは正義が勝つ!!ソフトバンク・王会長「あの速さ、角度は、打ちにくい」

[ 2022年2月28日 05:30 ]

ブルペンで投球練習するソフトバンク・田中正(撮影・中村 達也)
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 正義は今季、勝てる――。ソフトバンクの宮崎春季キャンプ第6クール2日目の27日、王貞治会長兼特別チームアドバイザー(81)が、開幕ローテーション入りへ好投を続ける田中正義投手(27)を激推しした。王会長はこの日で宮崎視察を終了。キャンプを総括し、不振の選手には1球の大切さを改めて説いた。

 “世界の王”がプロ初勝利に飢える6年目右腕に太鼓判を押した。今季、特別チームアドバイザーを兼務する王会長は、投手の成長株筆頭に田中正の名前を挙げた。

 「若い子が出てきましたが田中くんが一番いいですね。だいぶ遠回りしましたが、いい球を放って、コントロールも良くなってきて。あの速さ、角度は、なかなか打ちにくい」

 王会長は2度、宮崎キャンプを視察。1度目は1月31日から2月13日まで、2度目は同22日から27日。指導、助言、視察の中で、22日の投球に衝撃を受けた。初の対外試合となった練習試合・西武戦で田中正は先発し2回完全。最速156キロを刻むなど2三振を奪った。藤本監督も一言「合格」とうなっていたが、同時に通算868本塁打のレジェンドも今季の活躍を確信した。

 さらに続けた。「オープン戦で自信をつけて。開幕ローテに入ると週1回は放るので“今日はいい投球するんだ”と毎回切り替えて投げて。彼はかなり、やってくれるだろうと思っていますね」

 申し分のない期待を込めた称賛を受けた田中正は、この日ブルペン入りし約40球を投じた。会長のエールを伝え聞くと「本当に胸を打つものがあります。心にくるものがあります。うれしい」と感動を隠さず、しみじみ語った。

 16年のドラフト会議で5球団が1位競合した逸材。しかし、チャンスをつかみ切れずいまだに白星がない。オフにはエースの千賀に弟子入り。合同自主トレに参加し心・技・体の全てを吸収し仕上がりも順調だ。キャンプで実戦3試合に登板し計7回で4安打自責点1、防御率は1・29。「きっちりと期待に応えたいと思います」と決意を新たにした。

 28日にチームはキャンプを打ち上げる。オープン戦は3月2日の中日戦(ペイペイドーム)から15試合を残している。宮崎で王会長をうならせた剛腕は、魅せ続けて開幕ローテーションを狙う。(井上 満夫)

 ○…ソフトバンクの開幕ローテーションは千賀と石川がすでに内定。東浜と和田も有力だ。残る2枠を田中正、松本、笠谷、杉山、大関らが争う。ここまでは田中正のほか、松本と杉山も好調。松本は3試合で8回5安打、自責点1。杉山は2試合で4回を投げ1安打、自責点なしとアピール。一方、笠谷は3試合で6回13安打、自責点5。大関は3試合で7回0/3を12安打、自責点5と出遅れている。

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