阪神・藤浪 開幕ローテ“ほぼ当確” 緩急自在の2回零封 矢野監督大絶賛「もちろん入ってこないと困る」

[ 2022年2月28日 05:30 ]

オープン戦   阪神9ー4ヤクルト ( 2022年2月27日    浦添 )

<ヤ・神>緊急先発で2回無失点の好投を見せた藤浪(撮影・椎名 航)
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 まさに圧巻だった。阪神・藤浪晋太郎投手(27)が27日のヤクルト戦(浦添)で、登板回避したガンケルの代役として先発し、2回1安打無失点と好投。開幕先発ローテーション入りへ向け、大きく前進した。41キロ差の緩急を操って相手主砲・村上を手玉に取るなど随所に輝きを放ち、矢野燿大監督(53)の口から「ローテーションなんて入ってこないと困る」と「ほぼ当確」とも取れる言質を引き出した。

 意図したアウト、アウトの質を求めて上がったマウンドで、藤浪が目的を遂行した。終始、力みのない、安定したフォームからストライクゾーン付近へ剛球を集中。この日最速157キロを計測した直球主体に昨季日本一の強力打線を力でねじ伏せ、危なげなく2回を無失点で投げ終えた。

 「ほとんど意図のあるアウトというか…しっかりボールが操れたんじゃないかと思います。圧倒まではいかないですけど、支配的な投球はできたんじゃないかと思います」

 登板後のコメントからも、充実ぶりがにじみ出た。そんな自己採点を裏付けるかのように、矢野監督の口からは、開幕先発ローテーション入りが「ほぼ当確」とも取れる言質も引き出した。「勝てる球、投げていた。今日の球やったら投げたら勝てる投球になってくる。もちろんローテーションなんて、入ってこないと困る」。この日の投球が、指揮官の脳裏にある候補者たちの中で「藤浪」の存在を、より色濃くした。

 指揮官をうならせた28球。最大の見せ場は初回2死二塁だった。ヤクルト4番・村上と対峙(たいじ)した最速162キロ右腕は「41キロ」を駆使した。

 「やっぱり頭にない球なので。常時150近く出る投手が急に110台の変化球って、たぶん打者は待たないでしょうし。有効に使えたかなと思います」

 まず初球、速球対策で身構える村上の意表を突き、真ん中低めへの114キロカーブで先手を取った。そして2球目は一転、外角155キロ直球で二ゴロに仕留めた。球速差41キロの緩急で難敵を手玉に取って窮地を脱すると、2回は若手の内山壮、長岡、吉田成を直球、カットボール主体の力強い投球で3者凡退に制圧。最高の形で2月最後の登板を締めた。

 当初は2番手で登板予定も、先発予定だったガンケルが腰の張りで登板回避したため急きょ先発。相手はスタメンから山田、中村を外して揺さぶりも掛けてきたが、意に介さなかった。状況が変われど、やるべきことは変わらなかったからだ。

 「毎試合、結果を出すことに集中して、一試合一試合、取り組んでいきたい」。今後の課題は変化球の精度向上。結果を積み重ね、1軍のマウンドで開幕を迎える。

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