正力賞はヤクルト・高津監督「みなさんに感謝」 特別賞に大谷翔平、稲葉篤紀氏 特別賞複数受賞は史上初

[ 2021年12月7日 17:00 ]

ヤクルト・高津監督
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 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で行われ、20年ぶり6度目の日本一に導いたヤクルトの高津臣吾監督(53)が初受賞した。また、特別賞には、エンゼルスの大谷翔平投手(27)と東京五輪で金メダルに導いた侍ジャパンの稲葉篤紀前監督(49)が選ばれた。

 高津監督は選手時代を含めて初めての受賞で、ヤクルトでは、1978年広岡達郎監督、1993年野村克也監督、1997年古田敦也捕手、2001年若松勉監督以来、5人目の受賞となった。この日午前に都内のヤクルト本社を訪問し、根岸孝成オーナーに日本一を報告。「社員の皆さんに本当に心から喜んでもらえて、勝った実感もわいてきた。すごくうれしく思います。“本当によく頑張ってくれた”と褒めていただきました」と話し、正力賞受賞を受けて「僕がいただきましたけれど、チームのみんながそこに導いてくれたんだと。チームメートはじめ、みなさんに感謝しています」とコメントした。

 座長である王貞治選考委員は「まず野球人として今年の日本シリーズにすごく感銘を受けた」と話した上で「高津監督の話も、中嶋監督の話も、その他の話も出ましたが、やはり最終的には日本一になった高津監督ではないかと話はまとまりました。スムーズに決まったと思います」と説明した。日本シリーズで激闘を演じたオリックスの中嶋聡監督、二刀流でア・リーグMVPに輝いた大谷、東京五輪で日本代表を率いて悲願の金メダルに導いた稲葉前監督の名前も挙がったが、2年連続最下位のチームを日本一に導いた手腕に高い評価が集まった。

 特別賞は過去に2004年のイチロー(マリナーズ)と、2013年の田中将大(楽天)だけ。史上初めて2人受賞となったが、王選考委員は「自国開催で勝つということは本当に難しい。それを日本のチームは見事に達成してくれた。高津監督と稲葉監督の功績も本当に大きかったが、話題性という意味では今年は、大谷翔平君の活躍が世界中をめぐった何かしらの形の表彰をすべきではないかとお話をさせていただいた」と話した。

 ▼正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に選考委員会が選出する。賞金500万円。受賞者は日本一に輝いた監督が多い。第1回の受賞者は77年に世界記録の756号本塁打を放った王貞治(巨人)。最多受賞は選手で1度、監督で4度受賞した工藤公康。

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2021年12月7日のニュース