正力賞史上初の特別賞2人選出 大谷翔平と稲葉篤紀氏 王貞治選考委員の考えとは

[ 2021年12月7日 17:13 ]

エンゼルスの大谷翔平(左)と侍ジャパン・稲葉前監督
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 今年のプロ野球の発展に貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が都内で行われ、ヤクルトを日本一に導いたヤクルト・高津臣吾監督が初受賞。また、東京五輪で金メダルに輝いた侍ジャパンを率いた稲葉篤紀監督、二刀流で大リーグに旋風を巻き起こしたエンゼルス・大谷翔平投手が特別賞を受賞した。

 座長である王貞治選考委員(ソフトバンク球団会長兼特別チームアドバイザー)は「日本は開催国ということで監督、コーチは大変だったと思う。大変な戦いを乗り越えて金メダルを獲得した。自国開催で勝つということは本当に難しい。それを見事に達成してくれた。日本のチームを率いた稲葉監督もそういう表彰対象になるのでは、と提案させてもらった」と説明した。「これは大変な功績だと思う」と満場一致で特別賞の受賞が決まった。

 また、大谷については「話題性という意味では、大谷翔平君の活躍が世界中をめぐった。日本の野球という意味からするとスケールが全然違う」と王選考委員。「日本人のホームラン王が生まれるんじゃないか、50本打つ人が出るんじゃないか。投手としても二刀流で10勝するんじゃないかと。彼のようにアメリカ野球界をにぎわせた人はつい最近はいないのではないか、と。我々にとって、日本の野球界の人間にとってこんなにうれしいことはなかった。MVPも満票で選ばれた。素晴らしいこと」と、こちらも満場一致で特別賞の受賞となった。

 特別賞は2004年のイチロー(マリナーズ)、2013年の田中将大(楽天)の過去2例。同一年に複数が受賞するのは初めてとなった。

  ▼正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に選考委員会が選出する。賞金500万円。受賞者は日本一に輝いた監督が多い。第1回の受賞者は77年に世界記録の756号本塁打を放った王貞治(巨人)。最多受賞は選手で1度、監督で4度受賞した工藤公康。

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2021年12月7日のニュース