正力賞受賞のヤクルト・高津監督へ選考委員が絶賛の嵐 「思いやりのある采配」「言葉の力」

[ 2021年12月7日 17:38 ]

ヤクルト・高津監督
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 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で行われ、20年ぶり6度目の日本一に導いたヤクルトの高津臣吾監督(53)が初受賞した。また、特別賞には、エンゼルスの大谷翔平投手(27)と東京五輪で金メダルに導いた侍ジャパンの稲葉篤紀前監督(49)が選ばれた。

 高津監督は選手時代を含めて初めての受賞で、ヤクルトでは、1978年広岡達郎監督、1993年野村克也監督、1997年古田敦也捕手、2001年若松勉監督以来、5人目の受賞となった。この日午前に都内のヤクルト本社を訪問し、根岸孝成オーナーに日本一を報告。「社員の皆さんに本当に心から喜んでもらえて、勝った実感もわいてきた。すごくうれしく思います。“本当によく頑張ってくれた”と褒めていただきました」と話し、正力賞受賞を受けて「僕がいただきましたけれど、チームのみんながそこに導いてくれたんだと。チームメートはじめ、皆さんに感謝しています」とコメントした。

 選考委員からは、高津監督に采配、チームマネジメントを絶賛する声が相次いだ。座長である王貞治選考委員は「スムーズに決まったと思います」と満場一致であったことを明かした。中西太選考委員からは「組織の中で選手を使い切った」、杉下茂選考委員から「ヤクルトはぎょうさん若手を育てた。しかもベテランと融和をきちんとさせた」、山本浩二選考委員からは「思いやりのある采配」との言葉も出たという。

 さらに、高津監督の代名詞ともなった「絶対大丈夫」などの「言葉の力」も評価された。選考過程では、王選考委員から「技術より言葉が大事だと。若い頃、荒川コーチに鍛えられた頃のお話もされて、荒川さんにぼろくそに言われたらしいが、最後に『よし、これなら打てる』と仕上げの時に言ってくれて、翌日もいけるぞという気持ちで試合、練習に臨めた」との話もあったという。満場一致での受賞となった。

 ▼正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に選考委員会が選出する。賞金500万円。受賞者は日本一に輝いた監督が多い。第1回の受賞者は77年に世界記録の756号本塁打を放った王貞治(巨人)。最多受賞は選手で1度、監督で4度受賞した工藤公康。

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