首位浮上のオリックス 前回Vから四半世紀…今も忘れられない仰木彬さんの笑顔

[ 2021年6月22日 09:00 ]

オリックスを率いた仰木監督(1997年撮影)
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 「ほら、どんどん食べろ」――。そう言ってくれた仰木さんの笑顔は今も忘れられない。長い記者人生でも幸せな時間として記憶に残っている。

 オリックスが首位に立った。20日の楽天戦に勝利して破竹の8連勝。楽天と並び、実に7年ぶりの首位に浮上した。気が早いが、リーグ優勝を成し遂げれば96年以来。イチローがいて、中嶋聡監督が現役で…。そして、仰木彬さんが指揮官としてチームを率いていた。

 02年春、記者はメジャー2年目のイチロー(マリナーズ)のキャンプ取材で米アリゾナ州にいた。その時、現地にやってきたのが前年限りでオリックス監督を退任し、スポニチ評論家を務めていただいていた仰木さんだ。「アメリカに行くよ」。そう言っていたイチローとの約束を、退任してすぐに果たした。当時66歳だったが若くて、ダンディで、本当に好奇心旺盛な人だった。

 仰木さんは、前の年にイチローが住んでいたコンドミニアムに滞在していた。そんなある日、イチロー番の記者が全員招待され、すき焼きをごちそうになった。仰木さんのお手製。ビールを飲み、おいしい牛肉を食べながら野球談義に花を咲かせた。気さくな人柄。会う人は誰もが仰木さんのことを好きになった。

 時は流れた。仰木さんは05年に70歳で亡くなり、イチローは現役を引退。そして96年V戦士の中嶋監督が今、チームを率いている。前回優勝から四半世紀。仰木さんはきっと、天国でオリックスの快進撃を見ている。すき焼きをごちそうになった時と同じ笑顔で、チームの首位浮上を喜んでいるに違いない。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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