「プロ2号」はバックスクリーン越え 阪神・佐藤輝が140メートル弾 手がつけられない4安打

[ 2021年2月19日 05:30 ]

練習試合   阪神6ー2DeNA(特別ルール) ( 2021年2月18日    宜野湾球場 )

<D・神>9回、佐藤輝が中越えに特大2ランを放つ(撮影・北條 貴史)
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 衝撃の一撃!阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、「3番三塁」で先発したDeNAとの練習試合(宜野湾)でスコアボードを越える“プロ2号”を放った。昨季10勝の大貫からも安打を放つなど5打数4安打3打点と大暴れ。対外試合3戦で14打数9安打6打点、打率は驚異の・643となった。

 その場にいた誰もが目を疑った。佐藤輝から放たれ、高々と舞い上がった白球は、右翼から左翼への強風をものともしない。右中間に位置するスコアボードを越え、防球ネットに突き刺さった。

 「最後は甘いところをしっかり捉えられたのでよかったです。(打球は)あまり見てなかったです。(風で)戻ってくると思って走っていたら入ってました」

 昨季1軍33試合登板の右腕・伊勢が投じた真ん中高め直球を、推定140メートル弾に変えた。ベンチ前で出迎えたナインに対し、陽川の「ゴリラポーズ」を披露。「1回やれと言われていたので、やってみました」と笑った。キャンプ序盤のフリー打撃で見せたバックスクリーン越え弾を、同一リーグ相手に再現。DeNA・三浦監督を「すごくいい打者だと思う」とビビらせると、矢野監督に「エグい!」と言わしめた。

 その怪力を確固たるものにしたのはコロナ下に沈んだ昨春。近大硬式野球部が4月から6月まで活動を休止した際、西宮市内の自室でひたすら筋力トレーニングに励んだ。「(トレーニングルームは)この自粛期間中で一番使いました。それで身体が大きくなった。やっぱりコロナで野球できてない期間はずっと野球したい思いがあったんで。だからこそ、いま野球できていることは幸せなこと」。白球を握れなかった期間も己の鍛錬に励み、唯一無二の長打力を身につけた。

 初回無死一、三塁では昨季10勝の右腕・大貫の141キロ直球を右翼前に運び、右翼手の動きを見て迷いなく二塁を陥れる適時二塁打。3回にも大貫から中前打を放つと、7回には武藤の変化球を捉え、二塁手・牧のグラブをはじく二塁打とした。5打数4安打3打点の大暴れ。これで対外試合3試合連続マルチ安打で14打数9安打6打点、打率・643と圧巻の数字が並んでも、冷静に先を見据えた。

 「結果が出たことはいいことですけど、シーズンに入ると攻め方だったりいろいろ変わってくると思う。打てたからいけるとかではなく、きょうはきょうの結果でしっかり切り替えてやっていきたい」

 浮かれた様子はみじんもない。シーズン本番へ向け、「H」ランプをともし続ける。(阪井 日向)

 【佐藤輝と一問一答】
 ――DeNA戦を振り返って。
 「風も強くて、砂も舞っていて状況はあまりよくなかったんですけど、最後まで集中できました」

 ――きょうの打席で1番良かった打席は。
 「最後の打席なんかはファウルにして、最後甘いところをしっかり捉えられたのでよかった。甘いところを捉えて長打というところが魅力だと思うので、そこをこれからも続けていければいいかなと思います」

 ――これまで実戦でバックスクリーン越え弾は。
 「ないんじゃないですかね」

 ――開幕に向けて自信もついてきた。
 「いい状態だとは思います。やっていくしかないので頑張ります」

 ――今の時期は結果と内容どっちを重視。
 「両方じゃないですか」

 《打点はチームトップ》佐藤輝(神)は今キャンプの実戦でチームトップの6打点をマーク。打点の付いた安打4本のうち、9日の日本ハム戦5回・右本=逆転、7回・右線2=勝ち越し、この日の初回・右線2=先制の3本が殊勲安打と貢献。7回の右前二塁打でも右翼手が打球処理に手間取る間に勝ち越し点が入っている。

 <各球団007の声>

 ▼広島・岩本貴裕スコアラー あれだけ良い打球も打ってるし、詰まりながらも反対方向に打ってますし。攻める側も難しい。どんどん研究していかないと。

 ▼巨人・横川史学スコアラー 打撃練習を見て思ったけど(報道などで)フルスイング、フルスイングって言うけど、あんまりフルスイングしてないんじゃないかと見えてきて。対応力がすごいあるし、練習での意図ができている。思ったより、ただ思い切り振って遠くに飛ばす打者じゃない。結果にも出ている。

 ▼中日・金子丈スコアラー ずっとこれだけの成績を残して、シーズン想定しても、この感じでこのままいけるんじゃないですか。シーズンに向けていろいろ情報収集していきたい。
 

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