亀山つとむ氏 佐藤輝は阪神で見たことのない新人 現状でもチームトップクラス

[ 2021年2月19日 05:30 ]

練習試合   阪神6ー2DeNA(特別ルール) ( 2021年2月18日    宜野湾球場 )

亀山つとむ氏
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 【亀山つとむCHECK】佐藤輝は引きが強いというか“持っている”選手だということを改めて感じました。7回の決勝点を誘発する二塁強襲二塁打も打球が強かったとはいえ、新人の牧とは違う選手が守っていればアウトになっていた可能性が高い。さらに言えば、前打者の木浪の一ゴロが併殺になっていれば、なかったものでした。9回2死からの特大2ランも、ここまでの実戦で15打席無安打だった木浪が初安打して回ってきた打席でした。

 打席での内容も確実に良化しています。対外試合3試合目で初めてといっていい主戦級との対戦。昨季10勝を挙げた大貫に対しては、相手がまだ調整段階とはいえ、佐藤輝にとっても初見。そんな中で初回の好機でいきなり内角低めの真っすぐをしっかりと引っ張って右への二塁打にするなど2打席とも安打を記録したことは素直に評価できます。

 本塁打はカウント1―1から4球ファウルした後に打ったもの。打者は追い込まれると、気持ち的にコンパクトに振ることを意識し、ファウルが続くとさらに空振りしないことを意識します。そんな中で佐藤輝はあそこまで飛ばすのですから、凄いの一言。キャンプ序盤は強振する分、三振が多いタイプかと想像していましたが、タイミングを合わせるのがうまく、器用さも持ち合わせています。

 今後の課題といえば、内角への厳しい球が増えてくるはずで、うまくよけるなどしてケガしないようにすることと、相手が打ち気をそらすなどする中で打ちたい、打ちたいという気持ちが勝ってボール球を追いかけない、振らないようにすることくらいでしょう。

 とにかく、今までの阪神では見たことのないタイプの新人。打率も残せるロングヒッターで、現状でも、チームではトップクラスの位置にいるように思います。(スポニチ本紙評論家)

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2021年2月19日のニュース