阪神・藤浪がブルペンで「本番リハ」 状況想定し、今春C最多の146球「完投」

[ 2021年2月15日 05:30 ]

ブルペンでおどけた表情を見せる阪神・藤浪(撮影・大森 寛明)
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 試合は流れても“仕切り直し”の舞台は存在した。広島戦の雨天中止が決まり、チームは宜野座に直行。2番手で登板予定だった阪神・藤浪は、到着後すぐにブルペンへと向かった。

 「良い練習だった。ゲームは無かったですが、それなりのことはできました」

 一味違う投球練習が始まった。先発予定だった青柳と1イニング、アウト3個を奪うことを想定しながら表、裏を担い交互に登板。一方が投げている間は肩を休め、出番が近づくと隣でキャッチボールを始めるなど実際の試合のリズムで腕を振った。

 中身も濃密だ。坂本とバッテリーを組み、打席に立ってもらった球団スタッフを他球団の選手に見立てて腕を振った。「東京ドームの丸選手」などと球場も屋内外をイメージしながらイニングを重ねた。「配球もそうですし場面を想定しての状況、球場も想定して。気持ちの面でも良い気合乗りというか、良い感じで投げられた」

 坂本の提案もあって「自分の中で考えてやりました」と自ら口にする形で、配球も練った。「カット、スプリットに関しては良い手応えだったと思う。まだまだ抜けたりとかはあるんですけど、許容範囲。緩い球を使えたりすると、配球も広がってくるのかなと」

 終わってみれば、今キャンプ最多となる146球の熱投だった。シーズン中なら考えにくい球数でも、充実の“完投”。投手の試合勘を維持するため今回初めて導入された練習法で、実戦に匹敵する大きな手応えを得た。

 投球前にはミットを持った矢野監督に投げ込む場面もあり「いきなり投げて良いものか迷いましたが、新鮮ではありました」と苦笑い。球場をあとにする頃には、日が差したように“雨のち晴れ”の1日だった。(遠藤 礼)

 ▼阪神金村投手コーチ (藤浪、青柳が交互に行ったブルペン投球は)今年やってみようと話をしていた。(キャンプ中には)投手はあまりイニングが取れないから。質の高いブルペンにしようと。今後違う組み合わせも考えている。

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2021年2月15日のニュース